31. TVショッピング

必要でもないのに、見るとどうしても欲しくなってしまうTVショッピング。日本にいた時には、誘惑に負けてしまいそうで極力見ないようにしていたのですが、アメリカに来てからは見ない日などない。テレビをつければTVショッピングのコマーシャルばかりで、もう大変なことになっております・・・。

日本の深夜番組でもアメリカのTVショッピングが放映されているので、ご存じの方も多いでしょう。マシンガントークでとにかく連呼、連呼。演技がめちゃくちゃ大げさで、使用前・使用後の差が激しすぎる。「そんなことあり得ない」と思いつつ、なのについつい欲しくなってしまうのですねえ。

日本のものと比較すると、広告の数と量からしてもうケタ違い。TVショッピングばかり放映している専門チャンネルもあるし、他のチャンネルでもCMがしょっちゅう流れているから、見る気はないのにどうしても目に入ってしまうのです。

手頃な価格帯が多いのも特徴のひとつ。日本だと最低でも1万円はするので即買いはなかなかできませんが、アメリカでは10ドルくらいの商品が結構あります。スーパーでの10ドルなら渋るのに、通販の10ドルだと気が大きくなってしまうのが怖いところ。で、失敗して二度と買うものか!とその時は思うのだけど、ほとぼりが冷めた頃にまたまた同じ事を繰り返してしまうから困りものです。こうやって、通販会社の顧客リストに次々と名前が載っていくわけで、最近この手のダイレクトメールが増えたのもそのせいでしょうか。

値段が手頃な上に、自分が住んでいる州外からの通販なら消費税がかからないというのも、TVショッピングを活性化させている要因のひとつでしょう。シカゴがあるイリノイ州の消費税は8.25%ですから、これは結構な額。「送料を差し引いてもお店で買うより安いんじゃないの?」とお得感でオーダーする人は多いでしょうが、同じものがウォルマートでさらに安く売っていることもしばしばですから、要注意です。

アメリカのTVショッピングで扱っている商品は、だいたい日本と同じようなもの。ただ、価格帯が低い分、PC関連商品や装飾品よりは日用雑貨が多い気がします。美容・健康関連では、ダイエットサプリメント、痩身・フィットネス器具、シワ・シミ取りクリーム、歯のホワイトニングジェル、禁煙プログラムセットなど。家庭用品では、洗剤、鍋、ミキサー、鍋つかみ、オーブンなどです。

笑えるのは、どれにも共通しているオーバーリアクション。例えば、見た目は軍手そっくりの鍋つかみの場合、オーブンの中の鍋を素手で触って「Ouch!(いたっ!)」。でもこの鍋つかみなら、ほ〜らこの通り、お鍋もしっかり持てる。Amazing!(ビックリだ!)Call Now!(今すぐ電話を!)・・・・な〜んてやってますが、そもそも熱いオーブンを素手で触る人なんているわけない。そのほか、日本でもヒットした痩身ベルトは、使用前・使用後の写真が明らかな誇大広告だということで、こちらでは広告自粛になってしまいました。

ちなみに私が買った商品で失敗だったのは、簡単に野菜のみじん切りができるというチョッピング・カッター。テレビの紹介とは違ってうまく切れなかったので、タマネギが目にしみて大変でした。逆に、今でも使い続けているお気に入りは、「OXI CLEAN」というシミ取り洗剤。じゅうたんのシミはもちろん、洋服もこの洗剤で付け置き洗いすれば大抵のシミは落ちます。日本に本帰国になる時には絶対に買いだめしようと思っていたら、最近日本でも売られているようですね。これはお勧め、是非お試しあれ。

では最後に、くだらな過ぎて思わず笑ってしまう商品たちの紹介です。
※遮音ヘッドフォン・・・周りの騒音が気になるときに使うヘッドフォン(耳栓をすればことは足りるのでは?)
※ドライヤー・ホルダー・・・ドライヤーをその器具にかけて使えば、両手がフリーになるというもの(発想はすばらしいけど、ホルダーが私の背丈ほどもあってとにかくデカイ)。
※家庭用金属探知機・・・草むらに落ちているコインを探知してお金を貯めようというもの(いつになったら元が取れるのか。CMでは、高価な指輪を見つけたというユーザーの体験談が紹介されている、ホント?)
※洋服がきれいにたためるボード・・・ボードの上に洋服を置き、順番通りにボードを折っていくと服がきれいにたためる(時間がかかってしょうがない)

2004年8月

■写真は、AS SEEN ON TV