私の住んでいる街

私の住まいはシカゴのダウンタウンから25マイル(車で40分)、シカゴ・オヘア空港から10マイルほど離れた北西部、アーリントン・ハイツという街にあります。いつもシカゴ、シカゴと言ってしまうのですが、正確にはシカゴ市ではありません。近いがゆえについつい言ってしまう…山崎に住んでいながら大阪、岡崎に住んでいるのに名古屋というようなものですね。まぁ、どでかいイリノイ州からみればご近所さんではありますが。

わが街は、残念ながらヴィクシリーズには登場していない…と思って調べてみたらあったんです、だたし一行だけ。「バースデイ・ブルー」で工事現場の監督の家がアーリントン・ハイツという設定でした。サラっと流した程度で詳しい場所はわかりませんが、ヴィクがわが街に来たことだけは間違いありません。やった!!

同じ北西部ということなら、もっとビッグなのがあります。「レディ・ハートブレイク」の舞台、フレンドシップ病院(サラさんが言うように、架空の病院でした)があるシャンバーグはアーリントン・ハイツの西隣り、ここからさらに北西に進むとバーゴインの住まい、バーリントンがあります。ちなみにバーリントンは、シカゴのビバリーヒルズといわれるように、大きな庭のある豪邸がずらりとならんでいます。目の保養にはもってこい、だたし後でむなしくなるのでご注意。
 それから、アーリントン・ハイツの南隣り、エルク・グローブ・ビレッジには、コントレーラス老人の娘が住んでいます。

このように、近所が登場するのはファンとしては涙もの。でも、「オヘアの彼方の地」、「街路のにぎわいなし、人影もなし。あるのは何マイルも果てしなく続くショッピング・モールとファーストフードのチェーン店だけ」、「清潔、静か、美しい、ついでに退屈」、「エアロビとゴルフが一番の話題」等々、ヴィクやバーゴインは言いたい放題でしたね。きっと「中野さんってものすごい僻地に住んでるのね」と思われるでしょうが、事実その通りなので反撃のしようもありません。街路のにぎわいなしというのはちょっと言いすぎだけど、人影がないというのは当たってます。みんな車でしか移動しないから。ショッピング・モールはとにかく多い。主要な道路の交差点には必ずといっていいほどモールがあります。しかも驚くことにどこも繁盛してる。さすが消費大国アメリカと、感心せずにはいられません。エアロビとゴルフ…これも当たらずしも遠からず。実際私も週に2〜3回フィットネスに通ってるし、平日の昼間だというのになぜだかサラリーマン風の男性も多い。ゴルフもしかりです。でも、一番の話題なんていうことないですよね。なんか北西部に恨みでもあるのかしらん。

ヴィクの言う退屈な街北西部は、犯罪件数も極端に少ない安全な地区ということで、すなわち日本人駐在員がわんさといるところでもあります。日本人がたくさん集まると、そこに日本食スーパーやレストラン、病院、学校ができる。で、また日本人が増える。そんなわけで、このあたりはちょっとした日本人村。
 私の住むアパートなどは200世帯中半分が日本人家族で、極端な話日本語だけで生活できてしまいます。海外に行ったらだれでも英語が話せるようになるなんて、ここでは幻の言葉です。便利なゆえの悩みとでも言うのでしょうか。かなり努力しないとアメリカ人の友達もできません。、ヴィクシリーズの原作本を読みたいという私の願いがかなうのは、いつになることでしょう。

1999年10月