6. 最近のムカッ!体験

気さくで細かいことなんて気にしない「いい人」がいっぱいのアメリカ。でもこのアバウトな国民性が、キチキチ生真面目な日本人には時々ムカッ! と来ることがあります。最近ムカッ! 体験が連続したので、今回はこれをテーマにします(せずにはいられません)。なんかグチみたいになってしまいましたが、是非ともご容赦を。

(1)電話が通じな〜い

先日の日曜、インターネットを開いている最中に突然回線が切断されてしまいました。おいおいこれで何回目? こんなことは日常茶飯事なのですっかり慣れっこですが、なんと今回は電話自体が不通に。しかもうちだけ。地震や台風でもないのにこの時代に考えられませんよね。ところが、アメリカではよくある話なんだそうですよ。友達に話したけど、別に驚いた様子もありませんでした。そういえば、電話会社の毎月の明細書にも「故障の際はこちらにお電話を」なんて書いてあったもんなぁ。

早速問い合わせると、修理に3日ほどかかるとのこと。しかし直る気配は一向になし。一週間たっても直らないので、さすがに頭に来て再度問い合わせたところ、「あなたの電話機かアパートの回線に異常があるようです」なんてこちらのせいにするではありませんか。そんな訳ない! 確認したもん! そう思いっきり言ってやりたかったのですが、私の英会話能力では説得力なし。ダンナはこんな時に限って出張。仕方なくさらに3日待ってダンナにきつく言ってもらったら、あらら〜なんと1日で直ってしまった。一体どういうことなんじゃ?  10日ぶりに開いたメールには案の定「病気?怪我?」なんて心配のメールがどっさり。電話が壊れるちょっと前に遊びに行った吉野さん(シカゴ便りが縁でエバンストンの吉野宅におじゃましました)なんて、帰りに事故でもあったのではないかとえらく心配してくれていました。今では過去の話だけど、誘ってくれてたライブいきたかったなぁ。ごめんね、吉野さん。もう、アメリカ人っていいかげんなんだから〜、うちの電話機のせいにしておきながら結局そっちのミスだったじゃん! と言いたいことは山ほどありますが、それを助けてくれたのもアメリカ人のジョアンなのが笑える。電話が直るまで彼女の携帯電話を貸してくれるなんて、まぁなんて親切な人でしょう。「アメリカ人にもいろんな人がいるからね」と逆になぐさめられてしまいました。そう、確かにいろんな人がいますね、アメリカには。

(2)銀行くらいきちっとしてくれなくっちゃ!

12月末に、7ヶ月定期をしに銀行に行ってきました。低金利の日本じゃ考えられないことですが、なんと金利は5%。定期にしない手はありませんよね。手続きが終わってからも「7ヶ月後にはこんなに増えてるぅ」なんて計算しながらうきうきしてたんですが、それもつかの間。1ヶ月後に普通預金の金額が減ってないのに気づいて問い合わせてみたら、未手続きだったんです。これがほんとの取らぬ狸の皮算用。しかも担当者はすっかり忘れていた様子で「そうでしたっけ?」。電話の最中にようやく気づいたと思ったら「別の担当者に言っておいたのに、手続きするのを忘れたみたいですね」。そうなんです。人や物のせいにする人が結構多いんですよ。そして1年生活してわかったことですが、不利な立場に立ったら絶対に「I'm sorry」を言わない。訴訟国の習慣です。結局、ごめんなさいもなく再手続きすることに。1ヶ月分の金利返してくれ〜〜。

(3)いつになったら保険がおりるの?

去年の7月に歯医者さんで親知らずを抜きました。アメリカの医療費は高い! と聞いてはいましたが、本当に高かった。一本で200ドルしました。でもこれは保険手続き前の金額なので驚かないでくださいね。ご存知のようにアメリカには国民保険なんてものはなく、各自や会社で任意保険に加入。そのプログラムによって保険の適用額も異なるので、いろいろとめんどくさいことがあります。例えば歯医者さんに行きたいと思ったら、行く前に保険会社に電話。自分のプログラムに適用される歯医者さんかどうか、その治療費は何割負担してくれるか確認します。治療費はまず歯医者に全額払っておいて、後日保険会社から保険料が送られてくる、というのがよくあるパターンのようです。
 とはいうのの、今回12月になっても送られてこないので心配になって問い合わせてみると、歯医者から肝心な診断書が届いていないとのこと。その日に確かに送った! という歯医者にもう一度診断書を送ってもらい、さらに待つこと2ヶ月。またしても音沙汰ないので再度電話してみると、「受けとっていない」の一点張り。またまた頭にきて、特例のようですが診断書をファクスで送ってもらい、「確かに届きました」と担当者から確認の電話をもらいました。すると不思議なことに、通常送るのに1ヶ月かかるという保険料が3日で届くではありませんか。しめて175ドル。これって大きいでしょう?
 後でわかったのですが、保険会社を始め会社の支払いは、少しでも金利を稼ぐために先延ばしするのが当たり前のようです。でも逆にこっちの支払いが少しでも遅れるとすぐに催促が来るから、ただ単にルーズなわけではありません。うちのアパートなどは、家賃の支払い期日を1日オーバーしただけで、20ドルの罰金を請求してきました。したたかですなぁ。

 今回のトラブルで改めて実感したのですが、何事も強気でいかなきゃダメですね。相手に悪いかな〜なんて、日本にいた時のようにやさしく言ってたんじゃ、大したことないなんてなめられてしまいます。特に日本人は童顔だし愛想がいいから、足元をみられがちです。言ってなんぼの世界(あれっこれって関西人の気性に似てる?)。みなさんも、海外旅行の時は強気で、言いたい時はバシバシ言ってください。相手の態度がコロッと変わるかもしれませんよ。

2000年2月