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2002年7月


市川雷蔵の美しさ


またまた京都テレビ「中島貞夫の邦画指定席」で古い映画を見た。市川雷蔵主演の「若親分凶状旅」(1967年大映)である。“凶状旅”という不吉でかっこいい言葉に惹かれてはいたが、映画は見たことがなかった。このころはヨーロッパ映画ばかり見ていたんやないかな。それと東映やくざ映画はなぜか見ていた。大映映画というものを嫌悪していたとしか思えない。おかげで勝新太郎も雷蔵も同時代に見るのを逃してしまった。残念この上なし。
「若親分」シリーズは1965年3月からはじまって、65年に2作、66年に3作、67年も3作ある。「陸軍中野学校」と「眠狂四郎」のシリーズと同時進行である。市川雷蔵は1954年から映画に出始めて69年まで158本の映画に出演しているが、この「若親分」シリーズは最も後期になる。
主人公南条武はヤクザだが海軍に在籍したことがあるという設定で、時代は第2次大戦前だろうか。海軍時代の親友がなにも言わずに自殺したのを不審に思い調べ始める。裏には大量の武器を動かす黒幕がいた。親友は正義のためにした行為が巨悪のためだったとわかり自殺したのだ。ヤクザ映画としては珍しい設定だが、なにかあると現場にいて人助けしたりして話は定石どおりに進んでいく。最後は大きな立ち回りがあり、裏の悪者も殺す。すべてが終わって刀を畳に突き刺すところがかっこいい。最後は1人で警察に向かって歩いていく。
雷蔵の美しさは言いようがない。顔もきれいだが、しぐさも美しい。着物を着たスタイルの美しさ、歩いたり立ち回りをするときの裾捌きが美しい。大きな動きをするとき裾がめくれて太股まで見えるのがセクシー。

2002.7.31


こんなところに高層ビルが・・・


四つ橋のほうに前の事務所があったので、いまでも月に一度くらいはそっちのほうの銀行と郵便局に行く。まっすぐ東へ行けばいいのだが、よその家の前の花を眺めたりしてジグザクに歩いていくことにしている。
今日は以前は末野興産だったところに超高層ビルを建設中なのを発見して驚いた。「高層ビル建築反対」という張り紙を1年くらい前からちょこちょこ見ていて、どこに建つのに反対しているかと思っていたがここだったのか。浪速筋や広い道に面したところにそれらしきものは見つからず、忘れてしまっていたのだが、ここだったのかー。広い場所を高い塀で囲ってあり、その塀に大京タワービルと書いてある。広い地所だから1軒のビル跡だけでなく立ち退きがあったのだろうが、はて、元になにがあったのか思い出せない。
ここにタワービルが建てば、周りはどうなっていくのだろう。西区新町が変わっていく。新築マンションばっかりだ。都心に住む人が増えるのはいいことだけど…。

2002.7.30


イギリスの猫絵本「Who Will Play With Me?」


中央図書館の外国語のところには絵本がけっこうある。先日もあれこれ手に取っていてあれっと思った。「Who Will Play With Me?」(Michele Coxon)という絵本なのだが、同じ作者の絵本がうちにあるのだった。「The Cat who lost his Purr」という絵本で、2001年10月23日のこのページで「しあわせな猫の絵本」というタイトルで紹介している。(あれまあ、「THE PATCHWORK CAT」も紹介しているやんか)
「Who Will Play With Me?」はうちにあるのの前編にあたる。少年も猫も少し幼い。この本の工夫は前後どちらからもめくれるようになっていることで、一方は少年からはじまり、もう一方は猫からはじまる。少年が草むらにもぐって覗くと、猫も反対側からもぐって覗き、本の真ん中で両者が出くわすのである。少年のおもちゃがいっぱいある部屋ももう1冊と同じ、ただ、こっちのほうがぬいぐるみなんぞがまだ新しい。
わたしの持っている本はホビットの会の正置さんからイギリス留学のおみやげにいただいたものなので、多分翻訳はないだろうと思う。すごく完成度が高いというか、手抜きのない絵本に感動してしまう。ただ他愛なくひたすら可愛い腕白少年といたずら猫が描いてあるだけなんだけど、その絵の中から生きる歓びが感じられる。
表紙の写真はここにあります。

2002.7.29


山本やよいさん訳 メアリ・J・クラーク「緊急報道」


メアリ・J・クラークの「女性キャスター」に続く2作目「緊急報道」は、同じニューヨークのテレビ局KEYの報道局で働く女性プロデューサーのファレルが主人公である。前作では好感が持てた上司ブロックが今回はファレルにきつくあたり、解雇予告をするという状況のなかでの厳しい仕事ぶりが書かれている。物語の中心になるのは“インペリアル・イースターエッグ”で、ニューヨークのオークション・ハウスが舞台になる。
一昨年だったと思うが、NHKテレビで“インペリアル・イースターエッグ”を見た。ロシアロマノフ王朝の皇帝ニコラス二世が妻や母に贈るために作ったイースターエッグで、ラグビーボールより小さいかな、両手で持てる感じのタマゴ型で外側には金や宝石がちりばめられ、開くと中には精巧な細工が施されている。カール・ファベルジェという天才デザイナーであり細工師の手になるもので、彼の工房の技とロマノフ家の財産とがあってこそできたものである。全部で56個作られ、現在わかっているのは44個だそうだ。あと12個について物語がいろいろ作られるだろうが、この作品はそのひとつで、ファベルジェの工房から持ち出された本物があり、精巧に作られた贋物があり、それにまつわる欲望あり殺人ありの物語である。
わたしはテレビで見たことがあるだけだが、それだけでもおぼろげに魅力がわかるので興味が持てたし、エッグをめぐるコレクターや業者なんかの動きも楽しめた。
話はけっこうええ加減というか、なぜかいい具合に知り合いだったり、簡単な出会いがあったりして軽いのでさっさと読める。

2002.7.28


ほんまにミラクルやん


甲子園で起こった3度目の9回裏の逆転勝ち、これって、ほんまにミラクルやん。
一昨日は「ほいほい」という感じやった。昨日は「ミラクルがはじまった!」であった。それが今日も同点で迎えた9回裏、関本が執念のヒットで出塁、次の矢野の打ったヒットが中日のエラーで、1塁にいた関本がホームに戻ってきた。4:3で阪神の逆転勝ち。矢野を迎えてお祭り騒ぎだった。あたしは3:3になっても9回裏があるさと楽観的だった。でもほんとになってしもて、びっくりするやら、うれしいやらであります。
9回表は1アウト1塁に走者をおいて遠山が2連打された。思ったように投げられない遠山に矢野は苦悩していた。1アウト満塁になって谷中投手に代わり三振と外野フライにうちとった。見ているこちらが胃がキリキリしてしまうよ。
9回裏、重苦しさから解放された矢野がヒットを打ったら、なぜか中日がエラーで…。あんなにニコニコしている矢野を見たのははじめてやわ。
一昨日は浜中選手、昨日は沖原選手、今日は矢野選手、よっしゃー。

2002.7.26


ミラクルがはじまった!


今日の甲子園、阪神:巨人戦、1回に4点をとっていたから呑気に見ていられた。しかし、追加点をとれない。いやな予感がしているうちに7回裏、入来の投球がアリアスの頭の後側へいった。当然、怒って入来につめよるアリアス、両方のベンチから選手達たちが飛び出して騒然となった。結果、ケンカ両成敗というのか、入来・アリアスが退場になった。その後も騒ぎは続いたが、試合は再開され、9回表には同点にされてしもた。
昨日は浜中のホームランで劇的に勝って、テレビのキャスターが冗談ぽく“ミラクル阪神”と言っていた。「そんなー、明日も勝ったらミラクルやけどな」と冷たく言っていたわたしだが・・・今日もほんまに劇的に勝ってしもた。
9回裏、矢野がヒットで出て、バルデスが三振、赤星がヒット、田中が敬遠で満塁になって、沖原が・・・なんとヒット打ったんですぅ。こりゃ、はっきりと“ミラクル阪神”だ! 2位ヤクルトとはもうすぐ入れ替わるやろし、ここで踏ん張ったら、もしかして奇跡がおこるかもね。

2002.7.25


暑いし痒いし…かなわんわ


今日はえらく暑いと思ったら大阪は37.3度あったそうだ。神戸は37.7度だったとか。気温が高い上に、今年は相次ぐ台風の影響で蒸し暑い。じっとりと汗をかくので、長いこと忘れていたアセモが出て、かゆいのかゆくないのって…。ついにガマンできず薬屋へ行った。
子どものときは天花粉が決まりだったけど、ちょっとなあ。でも即効性のある薬は使いたくない。眺めていたら、あったぞ、「桃の葉の薬」っていかにもすぐ効かないような薬が。103.35g中100.00gが桃の葉とキョウニン(これなんやろ?)の浸出液と書いてある。使っていたら徐々に効いてきそうな気がする。製造元が香川県の千金丹ケアーズというのもおもしろい。
お風呂に入って「桃の葉の薬」を塗り、晩ご飯はアジの塩焼きと胡瓜もみとトマトの輪切りでビール、そして熱いご飯と豚汁をこしらえた。ぐしょぐしょに汗をかきながら食べたが、暑くて死にそうだった。暑いときこそ熱いものを食べようと思ったのだが、熱いご飯に豚汁はやりすぎだったわ。薬をつけたばかりのアセモがやっぱり痒い。

2002.7.24


うたたね猫


スパイスが数種類なくなりかけてきたので東急ハンズへ買いに行った。スパイスはどこで買ってもいいんだけれど、ちょっと店の中を散歩したくなってね。8階から1フロア毎に降りながら店内を全部見るのが快楽なのである。
事務用品はアスクルで買ってしまうので欲しいものなし、レターセットはいいのがない。これくらいなら自分で作ったほうがおしゃれだと勝手に思う。高価な物は最初から欲しいと思わないのが最近のわたしなのである。
予定通り2階でスパイスをあれこれ買った。1階には店に入ったときちらっと見て、帰りに買おうと決めているものがある。蚊取り線香立て。夏に入るころのチラシにあったブタや猫や金魚のいろんなかたちの蚊取り線香立ての実物を、ゆっくり見て買おうと思っていた。
蚊取り線香はいままでブリキの箱に入っている「菊月香」というのを使っていたが、今度はちょっと高いが、香りがきつくない紙箱入りの「菊花せんこう」にした。“蚊取り”でなくて“忌避効果”があると書いてある。その蚊取り線香をくゆらすのにお洒落なのが欲しい。
一目見て気に入ったのがこのうたたねしている猫である。白地に藍色の模様で、すごくおだやかな表情をしている。ところが見本があるが下の棚に箱がない。他のは番号が入った箱が重なっている。たまたま棚の整理にきていた店員に聞いたら倉庫まで見に行ってくれた。人気商品で品切れとのこと。うーん残念、これが欲しかったのに・・・と言ったら、見本の品でよかったらと言う。小躍りして買って帰った。いま足下でくゆらしているんだけど、とても穏やかな気持ちになる。線香のほのかな香りがまたよし。今夜も安眠。

2002.7.23


夏野菜がおいしい


夏野菜というとキュウリ、トマト、ナス、この3つが主役だけど、まだまだおいしい野菜がたくさんある。最近凝っているゴーヤー、そしてはじめて食べたヘチマが夏を楽しくしてくれる。今年よく食べているのはツルムラサキで、去年まではおひたしくらいだったが、炒めものにしたらおいしいのが丸元淑生さんの本でわかった。丸元さんは味付けにオイスターソースを使っているが、うちは豚肉や桜エビといっしょに炒めて、塩だけか、みりん+しょうゆ味である。
サラダにも煮物にもいい三度豆は便利。お盆のころに一度は食べる十六ささげは郷愁がわいて好きである。シシトウとタマネギとトリ肝を炒めたのもしいし、フシミトウガラシとチリメンジャコを炊いたのもいい。
毎週ポランの宅配に配達してもらう野菜セットの中にそろそろトウガンが入ってくるころだ。実は毎年トウガンとモロヘイヤだけは食べていなかった。今年はモロヘイヤのスープを丸元レシピで作ったらおいしかった。今度はトウガンのスープを作ってみよう。
ラタトゥユはズッキーニがなくっちゃ。そしていちばんおいしいのはカボチャだ!

2002.7.22


バーバラ・クーニーの絵本「オーパルひとりぼっち」


ジュンク堂で欲しい絵本がなくてがっかりしつつも、どこかに紛れ込んでいないかと再点検していたらこの本に出会った。クーニーの絵本のところから離れて1冊、見慣れたクーニーのタッチを見つけたときのうれしさ、そして、その本が初見であること、内容が素晴らしいことで、長時間絵本売り場にいた甲斐があった。
原作者オーパル・ウィットリーは1900年ごろアメリカに生まれた女性で、小さいときに両親が亡くなり、オレゴンのある家族の養女となった。木を切り出すキャンプ生活を何年間か続けその間に19回転居したという。5・6歳で字を覚えたばかりのオーパルは日記をつけていた。その日記帳を秘密の場所にしまっていたがある日義姉に破られてしまう。彼女はその破片を箱に入れてしまっておいた。20歳のときある出版人に頼まれて小さな紙切れを全部つなぎ合わせて日記を復元した。その日記は1920年に刊行され、以来たくさんの人の心を動かしてきたという。わたしは全然知らなかった。
1976年ジェイン・ボルダンがオーパルの日記に“詩”を発見し、編集して「オーパル:思慮深い心の軌跡」という本を書いた。クーニーは早くからオーパルの絵本を作りたいと思っていたが、出版社から断られていたそうで、この絵本のときは二つ返事でOKした。
5・6歳のオーパルの日記は毎日の生活を淡々と書いている。天国にいる両親のこと、毎日の家事手伝い、道端に咲く花、森の大きな木ラファエル、洗濯をしているとやってくるカラスのポルセナ、階段の下に住んでいるネズミのメンデルスゾーン。いろいろ気にかけてくれる近所に住む若い夫婦〈だいすきな ひと〉。目の見えない女の子も友だちだ。夜には犬のホラチウスといっしょに外に出て夜の声を聞く。子牛のブラウニング、子豚のルーベンス…。ある日森の木ラファエルがオーパルの目の前で倒される。
また引越の日が来る。メンデルスゾーンは〈だいすきな ひと〉がうちにくればいいと言ってくれた。
【あたしは とおくへ いくところ。でも、てんしの おとうさんと、てんしの おかあさんは、あたしと いっしょに いてくれるでしょう。】
バーバラ・クーニーの絵がとてもすてき、笑わないちっちゃな女の子が働かされながら、自然の中に好きなもの美しいものを見つけていく。見つけたものが詩になっていく過程が絵になっている。(ほるぷ出版 1400円+税)

2002.7.21


楽しい買い物


今日は普通の土曜日かと思っていたら祝日だった。プールはお休みにして、友人にちょっとした贈りものをしたくて心斎橋に久しぶりに買い物に出た。目指すはアランジ・アロンゾ、贈りものはすぐ見つかり、あとはぶらぶらアメリカ村の北のほう(いまでもカナダ村と言うんだろうか)を散歩したが、数カ月来ていないうちにまた変わっている。知らないお店がいっぱいでキョロキョロしてしまった。
その後は、欲しい本があるのでミナミのジュンク堂まで出た。吉本の前はちょうど入れ替え時間らしくすごい人である。一度吉本新喜劇を見たいものだ。ワッハ上方の前も人でいっぱい。ジュンク堂の3階も混んでいる。これは町田康のサイン会のため。野次馬魂を発揮して前の方まで行き顔を見てきた。彼がバンドをやっていたころ(町田町蔵と言ってたっけ)一度聞いたことがあるが、小説は1冊しか読んでいない。
絵本売り場に欲しかったジュリアーノ・ルネッリの絵本はなく、また知り合いのために「エミリー」を探したがこれもなく、いろんな絵本を児童書売り場の真ん中にあるベンチに座って眺めてきた。ここまで来たのに1冊くらい買いたい絵本はないのかとがっかりだったが、最後にバーバラ・クーニーの知らなかった絵本「オーパル ひとりぼっち」にぶつかった。これはすごい! 感激、感激。本の内容は明日書くことにします。

2002.7.20


今日はコーヒー牛乳


わたしは出かけるとき水筒を持つので自動販売機のご厄介になることはほとんどない。モンベルで買った冷たさが保てる袋に入った水筒に氷水を入れる。プールでも落語会でもちゃんと持っていく。去年これを持つのを忘れて、というよりも、お茶くらいは出るだろうと思って持たずに出かけたのだが、1時間の話し合いはお茶も水も出ないという時間厳守であった。
帰りを急いでいたので喫茶店に入ることもなく地下鉄の駅へ急いだ。駅の売店でコーヒー牛乳を飲もうという思いつきだった。それが・・・売店には缶飲料しか置いてないのでびっくりした。なんという時代錯誤! コーヒー牛乳を売店で買って飲んだのはずっと昔のことだった。新聞や週刊誌を売るかたわら、牛乳瓶のフタを開けてくれる。あれよかったなあ。しかたなく自動販売機の前で迷いに迷ったあげく砂糖・ミルク入りのコーヒーを買って立ち飲みした。
今日も水筒を持つほどのところではなかったから手ぶらで出かけたのだが、歩いていると暑い、暑い。ふと思い出して帰りにローソンでコーヒー牛乳の大箱を買った。氷をいっぱい入れた大きなグラスにコーヒー牛乳をいっぱい注いで飲んだ。たちまちもう1杯。ふーむ、これも夏の味だ。

2002.7.19


新町廣井堂の和菓子


今日も暑い日だった。ちょっと出かけただけで汗だくになってしまい、この調子で歩いていたら病気になると思ったくらい蒸し暑かった。銀行その他で用事をすませた帰り道を歩いていると、廣井堂の前の道を通っていた。そしたらからだが水分と同時に糖分も求めているのを感じて、思わずお店に入ってしまった。
新町一丁目にある廣井堂は創業百年を超す和菓子屋である。戦前(第2次大戦)うちの一家は廣井堂のそばにに住んでいた。それで後々わたしが新町に住むようになったときは、千里に住む母親に廣井堂の羊羹や最中を買っていって喜ばれたものだ。支店などないらしいし、百貨店に出しているふうでもない。ここでしか買えないと思うと有り難みが増す。いえ、ここのお菓子、ちょっと高いけどほんとに上品でおいしいのです。
最近はおやつを食べないうえに、懐具合が淋しいせいもあってご無沙汰していた和菓子だが、今日はこの暑さだもんと勝手に理屈をつけて、ピンクの花のとグリーンの竹の葉風のとあん餅を買った。帰ってダンナと熱い煎茶を淹れて食べたらおいしいのなんのって! 上品な甘みにしびれました。

2002.7.18


ネコ絵本の傑作「THE PATCHWORK CAT」


ネコを飼い始めたころからネコの本を買い始めた。阪神大震災のあと本の整理をして、買った本の半分くらいになっているけれど、それでもネコの本はけっこうあるなあ。その中でNIKOLA &WILLIAM MAYNEの「THE PATCHWORK CAT」は古典的名作と言ったらいいかな。翻訳絵本も出ているので知っている人も多いと思う。文章を書いているウィリアム・メインはイギリスの子ども向けの作品を書いている人で、わたしは「砂」「リンゴ園のある土地」をホビットの会のころ読んでとても好きだった。
主人公は父親と母親と2人の子どものいる郊外の幸せな家庭で暮らしている幸せなネコTabbyで、毎日ミルクを配達にくるおっちゃんが大好きである。Tabbyが毎日くるまって寝ているパッチワークキルトをある日お母さんが捨ててしまう。えらいこっちゃとゴミ箱で見つけたものの、ゴミといっしょにゴミ収集車に乗せられてしまい、ゴミ捨て場におきざりにされる。それからがたいへん、キルトをくわえてふるえて夜を過ごす。朝になってようやく道に出て、待っているとミルク屋さんの車が通った。おっちゃんに抱かれてミルクをもらい、家に帰るとお母さんが心配していた。お母さんはキルトを洗濯してくれ、Tabbyはお気に入りのパッチワークキルトにくるまって毎日気持ちよくお昼寝。
NIKOLA BAYLEYの絵は昔はすごく好きだったんだけど、最近はちょっと重いなあと思う。巧すぎる。だが、なんと言ってもネコ本を代表する1作である。

2002.7.17


今年の夏はゴーヤーだ


沖縄料理店でゴーヤーチャンプルを食べたのはずいぶんと昔のことだ。それきり忘れていたが、10年ほど前に友人のゴウくんが「ごうや」という料理店を開いてからは、店の定番のようなゴーヤーチャンプルをよく食べた。でもうちでは作ったことがなかった。家庭料理として食べる習慣がなかったせいかな。
数年前にゴウくんが波照間島に行ってしまってからご無沙汰だったゴーヤーチャンプル、去年からうちで作ってよく食べている。今年は大阪の蒸し暑さと合っている感じでほんとによく食べている。ゴーヤーがどこにでも売っているようになったしね。
作り方はカンタン、豚肉を炒めて、ゴーヤー(縦に切って中のタネのところを出し薄切りして塩をふっておく)を入れて炒め、豆腐(木綿豆腐の水を切っておく)をつぶして炒めて、最後に卵を溶いてかきまわす。いろんな作り方があるだろうが、うちはこうしている。しょうゆ味で作るときもある。豚肉が三枚肉を茹でておいたもののときもある。
新聞にゴーヤーを下ろし金ですり下ろして、リンゴをすったのやオレンジジュースを混ぜるというのが出ていた。そのときはリンゴもオレンジジュースもなかったので、ヨーグルトに入れて食べたら強烈な味でおいしかった。
今度はサラダとか漬け物とかもっといろんな食べ方を試してみよう。

2002.7.16


蒸し暑くてたまらない


今日の蒸し暑さは格別やわ。台風7号の影響らしいが、台風そのものが来なかったとしても、この蒸し暑さは確実に台風被害みたいなもんよね。
クーラーをつけないことにしているので、昼間より夜のほうが仕事その他やりやすい。それで晩ご飯の後でパソコンに向かうのだけれど、今日は夜も全然涼しくならない。毎月15日を会報の発行日にしているが、今月はまだできていない。A426ページのコピー取りがはかどらない。コピー機が熱をもってきて部屋がますます暑いので、夜にもちこしたものの、もう蒸し暑さに耐えられない。冷たい水を飲みながらテレビの台風ニュースばかり見ている。今夜は寝苦しいだろうな。これで蚊に襲来されたらたまらんなあ。とりあえず、お風呂に入ろう。ぬるいお湯につかったらちょっとはましかも。

2002.7.15


はじめて行った田辺寄席


28年間にわたって田辺寄席の中心メンバーである大久保さんと知り合ったのは、3年くらい前、週末ボランティアのホームページ掲示板だった。わたしが掲示板に書き込んだことに親切に返事をしてくださった。前から私の書くことを楽しんで読んでくださっていたとのこと。以来田辺寄席の会報「寄合酒」を毎月送ってもらっている。どんなかたか知りたくて、彼の経営する古本屋まで会いに行ったこともある。
それなのに、田辺寄席には一度も行ったことがなかった。毎月「寄合酒」を読んで来月はだれだれが来るんや、行きたいなあと思うんやけど腰が上がらない。
今日は足の調子もよくなっているので、相棒と久しぶりに出かけることにした。地下鉄谷町線の田辺で降りて、桃ヶ池の畔にある阿倍野青年センターへ行ったら、341回目の公演がはじまるところだった。出演は林家竹丸(つる)、旭堂南華(円山応挙と幽霊の花魁)、露の團四郎(浮世床・夢見の八兵衛)、桂文太(リクエスト96)で、感想はおもしろかったの一言である。ナマで目の前で落語を聞いたのは何十年ぶりだろう。わたしはなににつけよく笑うほうだが、こうしてお金を払って笑わしてもらう贅沢を忘れていたんだわ。
会場は満員。舞台は大きな「田辺寄席」の額が正面にかけられ、バックの松の木や赤い座布団に寄席の雰囲気がただよっている。2時間半かけて舞台をつくり、終わると30分で片づけるそうである。休憩時間にはお茶とお菓子がロビーに用意されている。すべてが手際よく、しかし事務的でなく運ばれているのは、28年の歴史とスタッフの誠意のせいでしょうね。
帰りは蓮の花がみごとに咲いている桃が池の周りを歩いた。大きい池全体に蓮の花が咲いていて、これが大阪市内かと信じられないほどだった。今日は気持ちよい休日であった。

2002.7.14


誰にでも話しかける?


バスの中で隣に座った人に話しかけられた。ときどきバス停で会う女性である。いつもは会社帰りだが、今日は梅田まで買い物に行った帰りだそうだ。夕方だったので「今日も仕事?」と聞かれて、プール行きの話をした。「けっこうな身分やね」と言われたが、「自営業で仕事の合間に走って行ってますねん」と言って納得してもらった(笑)。
わたしはなぜだか知らない人によく話しかけられる。先日出かけたところで、初対面の若い女性がわたしが帰るのを追いかけるように出てきて、いっしょにエレベーターに乗った。のっけに、「誰にでも話しかけはるんですか?」と言う。「えっ!・・・」わたしがさっき、人としゃべった話をしていたかららしい。「わたしから話すよりも、向こうから声をかけられることが多いなあ。いまかて、おたくから声をかけてきてるやん」と答えて大笑いであった。その後あれこれ話ながら京都へ帰るというその人を最寄りの駅まで送っていった。

2002.7.13


空を飛ぶトースター


たしか「ゆうかんなチビのトースター」という本があった。続編に「空飛ぶトースター」というのもあった。どちらの本も誰かにあげてしまって、いま正確な書名が確かめられないのだが、読むのが楽しくてしかたがないときがあった。主人公のトースターが現実にあるサンビームのトースターだということを知って、探し回ってソニービルの輸入品売り場にあるのを見つけた。けっこういい値段だったなあ。ピカピカ光った胴体がとても可愛くて長いこと毎朝使って、ついに使えなくなったときは悲しかった。
そのころ、というのはいまから10年ちょっと前のことだが、マックのスクリーンセイバーに、いっぱいトースターが飛んでいるのがあった。当時わたしのマックはSE30で、カラーモニターではなかったので、買ったときにお店でカラーの状態を見せてもらった覚えがある。トースターが飛んでいるのを見て手を叩いて喜ぶのだから、販売店も趣味の店のようであった。あのころはスクリーンセイバーが流行ったなあ。
先日、堀井和子の「朝ごはんの空気を見つけにいく」を読んでいたらデュアリットのトースターについて書いているところがたくさんあり写真もあった。うん、可愛らしい、欲しいなあ。でも最近のわたしは辛抱がよくなったのか、物欲が薄れたのか、ものを求めて探し回るということをしなくなった。いま使っているナショナルのでパンは焼けていることだし、まあいいじゃんと思ってしまうのである。

2002.7.12


S・J・ローザン「どこよりも冷たいところ」


中国系の女性リディア・チンと白人男性ビル・スミスの私立探偵コンビのシリーズ4作目。このシリーズはリディアとビルが代わりばんこで主人公になっていて、どちらかが助っ人になる。今回はビルが引き受けた仕事で、建築現場での不正を見つけるよう大きな探偵事務所から依頼される。ビルは以前レンガ積みを少々したことがあるので、レンガ工として建築現場に入り込む。リディアは現場の事務所の事務員として協力することになる。
盗難、傷害、殺人と事件が連続して起き、ビルは裏であやつる黒幕を捜すべく奮闘するが、レンガ積みの労働もたいへんである。いっしょに働くレンガ工マイク・ディメイオのすかっとした性格や言葉遣いがいい。S・J・ローザンはもともと建築家だったそうで、建築現場の雰囲気がいきいきとしている。
S・J・ローザンは女性であるし、作品は女性探偵ものに分類されるのだろうが、女性探偵の目だけでないところがユニークである。一人称で書かれてはいるが、ビル・スミスが主人公の場合は、彼が見たリディア・チンを書いているので、客観的なのである。
今回はビルが危機一髪のときが3度もあるが、その度にリディアが助けている。その場合リディアを現場に行かさないようにビルが配慮しているわけだが、リディアはそれに背いて出かけて助けることになる。その後なぜ一人で行ったか聞くと「きみに怪我をさせまいと思ったのだ」「そんなのないわ。それじゃうまくいきっこない。相棒なら相棒として扱ってくれなくちゃ、ビル。そうでないなら…わたしたち、うまくいかないわ」となる。
この2人の仲はこれからさきどうなるんだろうか。読む度に気になっている。5冊目くらいでそろそろいっしょに暮らすとかしてほしいなあ。(創元推理文庫)960円+税)

2002.7.11


ホタルの宿


今日とどいた田辺寄席ニュース「寄合酒」7月号の記事に「人工孵化ホタル今年も誕生」という記事がある。たしか3か月ほど前にこの話を読んだ覚えがあると思って探したら、5月号のトップ記事であった。個人宅でホタルを飼育している人がいて、今年は生育状況がよくゲンジボタルが50〜60匹、ヘイケボタルが250匹あまりが育っていると書いてあった。そのホタルが孵化して、いま東住吉区北田辺の坂本さんのお宅で連日、水槽や飼育カゴの中で乱舞しているというのだ。見たいものよねえ。
わたしがホタルを見た最初はいつだったろう。子どものころ「ホータルこい、こっちの水はあーまいぞ」と歌にあったりして知っているつもりだったが、挿絵を見てそのつもりになっていたのかもしれない。蚊帳の中にホタルを放すというのも映画の中の話だったかも。山梨県の母親の実家のそばで見たことがあるような、ないような…。
覚えているのは、登山をしていたころ、毎週土曜日に比良山へ登ろうと夜出かけて、9時か10時か山に入るまでのたんぼ道でよく見かけた。それから比良山系のあちこちへ夜中まで登ってテントを張ったものだ。そのほかには山からの遅くなった帰り道で見ている。一人で歩いているときで、たしか河内長野だった。単独行というやつをかっこつけてしていたころである。一人で歩いて見たということでか、いまでもその光景を覚えている。
それからだいぶん年を経て、能勢妙見山の近くに住む友人の家の近くを散歩していて見た。このときはほんとに見事なホタル乱舞であった。それ以来ホタルとはご無沙汰のままである。

2002.7.10


ヘチマ初体験


土曜日の朝日新聞「秘伝うちの味」に出ていた沖縄料理「ナーベラーンプシー」、ヘチマと三枚肉の炒めものである。なんかおいしそうだ。
三枚肉を茹でたものは最近わが家では常備品になっている。いつかヘチマが手に入ったら作ってみようと思っていたら、不思議な縁があるもので、昨日女性ライフサイクル研究所に行くのに天六で地下鉄を降り、なぜか真っ直ぐ行かずに商店街を散策していたら目についた。鹿児島県物産店の店先に積み上げられた緑色のみずみずしいヘチマ1本300円。帰りまで待てずにすぐに買った、そして相棒に電話した。ヘチマが手に入ったで〜、今夜は「ナーベラーンプシー」やで〜。
作り方は、ヘチマの皮をむいて1センチの輪切り、三枚肉は5ミリくらいの薄切り。フライパンを熱して油を入れ肉を炒め、ヘチマを加えて炒める。そこへ肉のゆで汁を加えフタをして蒸し煮にする。ヘチマが柔らかくなったらミソを加えてさっと炊いてできあがり。
ヘチマをはじめて食べた感想だけど…うまかったです。まず、若草色で見た目がきれい。食感はいままで食べたことがないなめらかさ。味噌とすごく合っていて、肉もまろやかな味になっている。お皿をなめてしまいました。新聞にはゴーヤージュースが横にあったが、うちはビールのおかずにした。
また天六まで行くか、クレスタ長堀の沖縄専門店を見に行くかして、ヘチマを手に入れて食べることにしよう。そうそう、大正の市場へ行ったらあるかもしれない。沖縄の夏と大阪の最近の夏はひょっとして似ているのかも。

2002.7.8


女性ライフサイクル研究所の新しい出発


今日は女性ライフサイクル研究所(FLC)が法人化したのと、新しい事務所に引っ越したオープニングパーティが開かれたので参加してきた。わたしは6年ほど前からFLCの会員になっていて、会報を送ってもらい、何度かフリートークの会に出席している。また会員の1人とはお会いしたことはないが親しくメールを交換している。
今日はスタッフの人たち以外は知り合いはいなかったのだけれど、自己紹介でいろんな分野で活躍している人の話を聞けてよかった。最近のわたしときたら、女性が活躍している場所にはとんとご無沙汰している。現場で活動している人や勉強している人の話を直接聞くことができてよかった。わたしの自己紹介のときにはVFCの話もするように言われたのだが、いくらヴィクとサラ・パレツキーのことをしゃべっても、読んでくれそうな人がいないのが残念であった。ヴィクシリーズを読めば、アメリカのフェミニズムやDVの現状が手に取るようにわかるのにねえ。
スタッフの一人の話だけれど、FLCに参加したときは子どもが産まれたばかりの主婦であった。それから大学に行き教職の資格を取った。そして教えた高校生の一人が今日出席していて、女性虐待について大学院で勉強しているという。
新しい事務所を案内してもらった。所長の村本さんの部屋にはカウンセリングで使う箱庭療法の小さい人形などが棚にぎっしりあった。西さんのカウンセリングルーム、そしてスタッフの部屋も見せてもらった。それだけでも行ってよかった。
FLCはカウンセリング、講師派遣、本の執筆・出版などの仕事の他に、NPO法人として「FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク」を秋に発足する準備をしている。
わたし個人としては、いつでも頼れるカウンセラーを確保しているという気持ちがあるので、とっても安心して生きていられる。

2002.7.7


ジュリアーノ・ルネッリの絵による「長ぐつをはいたネコ」


わたしは「長ぐつをはいたネコ」の絵本を2冊持っている。1冊は澁澤龍彦訳で片山健の絵である。「長靴をはいた猫」はシャルル・ペローの童話集の中にあって、本のタイトルになっており、表紙も長靴をはいた猫がいばっている絵でかざられている。
もう1冊は洋書「Puss in Boots」で、ALAIN VAESの絵がすごくリアルでありながら古風で美しい。この本を買ってから、これこそ絵本の中の絵本だと思い込んでいた。
それはそれとして…今日、相棒が図書館で借りてきた絵本「長ぐつをはいたネコ」、ジュリアーノ・ルネッリってイタリアの人の絵。これはショックでした〜 ネコがね、すんごくいろっぽいの。表紙がね、赤い長靴をはいたネコがソフアのクッションを積んだ上にお茶のカップを手にしどけなくすわっている。表紙をめくって次ぎの見返しの見開きいっぱいにモノクロの靴が整然と並んで描いてあって、その中に1足、先の尖った赤い長ぐつがある。めくっていくと、靴屋のショーウインドウの中の赤い靴に魅入られたネコの顔。ピンクの広がったスカートの王女様もすごく可愛い。こんなドキドキしてしまう絵本久しぶりだ。どうしても手許におきたい。

2002.7.6


プールは花盛り


去年の9月に市民プールに行きだしたときは、昔ながらの水着の人が多かったように思う。競泳用のクロっぽいヤツが主流だった。それが最近になって花柄やピンク・ブルー系統の明るい水着の人が多くなった。クロでも大胆な花柄やピンクやオレンジとの切替えがあったりする。新聞の経済欄にも、大メーカーの中高年用の友禅柄の水着記事が出ているくらいやもんね。
今日も大胆なクロとピンクの水着の人がいて、みんなにどこで買うたん? と聞かれていた。場所が福島区だから阪神百貨店、イングスで買ったという人が多い。サイズもすごく大きいのまで揃っているみたいだ。いろんな花柄を5枚くらい持っている人も少なくないらしい。
わたしのは明るい紺1色で、ベージュの細い線が首周りと腕周りにあるだけの、オーソドックスな競泳用である。買いに行ったときはナイキのシャープなのにしたろかと思ったが、泳ぎもしないのに着ていたら泳いでいる人に失礼だなあと考え直しておとなしいのにした。
毎日のように行くとなると洗濯がいそがしいので、もう1枚欲しいところだけれど、どんなん買おうかなあ。こうなったらおとなしいほうがかえって目立つよね(笑)。でも売れ筋ばかり置いてあって、単純なのを売ってるかどうかが問題だ。

2002.7.5


プラムのプリザーブ


青梅のプリザーブをヨーグルトに入れて食べると美味しいと、山本やよいさんがメールで教えてくださった。青梅にお砂糖をたくさん入れて、30分火にかけておいたらいいとのこと。これならわたしにもできる。青梅は梅酒を漬けたところだったので、もう一度注文しようと「ポランの宅配」のカタログを見たら今年の分は終わったらしい。
昨日思いついて山梨産のプラムを買ってきてもらった。というのも、実はヨーグルトについていた砂糖が引き出しにいっぱい入っている。これをなんとかしたかったのね。
この前は知り合いがジャムにしたら美味しいと言うので、去年漬けた梅酒の中の梅をヨーグルトの砂糖で煮てみた。ジャムとして食べるよりも、氷水に入れて飲むとなかなかいける。夏バテ回復に効きそうだ。去年までは梅を冷蔵庫に入れておいては最後に捨ててしまうことになっていたのでよかった〜。
それがなくなったらどうしよう、ということでプラムを思いついたのだが、作ってみたらこれはイケル! すごくきれいなオレンジっぽい赤色のができた。牛乳に入れて飲んでみたら美味しい!
これって堀井和子さんが書いていたような…と思って本をめくったら、ありました。「ヴァーモントへの本」に果物の話がいっぱいあって、その中にプラムのコンポートというのがあった。プラムにグラニュー糖と砂糖とレモンの皮少しを水を入れて煮る。今度はこれにしてみよう。ヨーグルトの砂糖がまたたまったころに。

2002.7.4


ドロシー・L・セイヤーズ「箱の中の書類」


先月だったか、同じハヤカワポケットミステリのイアン・ランキン「滝」を買いに行ったとき、棚の横に並んでいたので、セイヤーズの新刊やんか、まだ読んでないのがあったのかと思ってすぐ買った。帰りの地下鉄でめくっていたら、読んだ覚えがある。去年「ミステリマガジン」に3回連載されていたものだった。そのときはセイヤーズだから読むことは読んだんだけど、おもしろさがよくわからなかった。最初は手紙ばかりでいらいらしてしまい、次は手記を読むのがめんどくさくなってしまった。ところがこうして1冊になったのを読むと全然違って、いらいらしていたところが、大きい川の流れのようで心地よいのでびっくりした。
この本は1930年に書かれているが、13冊あるセイヤーズの長編小説中、唯一ピーター・ウィムジイ卿が登場しない作品であるのと、ロバート・ユースタスという人との共作ということが、他の作品と違うところだ。「ベローナ・クラブの不愉快な事件」(1928)と「毒を食らわば」(1930)の間になる。この本の解説者によると共作と言っても相手は医学博士で、多分メインテーマの毒についての知識を提供してもらったらしいとのこと。それに作品そのものはセイヤーズとしかいいようのない饒舌な文学性と社会性に貫かれているとのこと。
はじめはなんじゃいなと思ったハリソン家の家政婦アガサから妹へのたくさんの手紙、そして同じ建物に住むようになった作家ジョン・マンティングの、許婚者への手紙に現れるハリソン夫妻の様子で、殺人事件の下地がわかっていく。2人とも主観で書いていて、どちらも嫌い合っているところがおもしろい。ハリソン氏には大きい息子が外国におり、2人の間も手紙のやりとりである。後妻の若いハリソン夫人は夫に満足できず、ジョンといっしょに部屋を借りた画家ハーウッド・レイザムと通じ合う。
こういう状況でハリソン氏がキノコ中毒で死ぬんだけれど、この毒についての詳しい話がこの作品のもうひとつすごいところだ。毒について知ることになっていくジョン・マンティングが書いている供述書がまた読ませる。こういう手紙を資料として集め、供述書を書いてもらって死者の息子が殺人者をあぶり出していく。
これこそ本格探偵小説というものでしょう。大好きなピーター・ウィムジイ卿が出てこなくても堪能しました。(ハヤカワ・ミステリ 1100円+税)

2002.7.3


運動嫌い


プールの清掃のための8日間の休みの後1日行っただけで、そのあとは仕事の都合で1週間行けなかった。昨日久しぶりに行ったら、思いがけないくらいにたくさんの人から声をかけてもらってびっくりした。愛想悪くしているつもりなのに、けっこう人気あるんやん(笑)。
久しぶりの水の中で腕を動かしていると、体がパソコン机に向かう形になっているのに気がついた。その形に固まってしまっている。歩きながら体をほぐしていったわけだが、この凝りはなかなか治りそうもない。今日は治るどころかよけいひどい肩凝りを感じた。
もともと運動嫌いである。10代の終わりごろから数年、熱病のように登山に熱中したことがあるが、それ以来運動と言えば、口だけでなく体も強くなろうと思って空手を習いにいったくらいである。これは8か月で終わった。
机に向かうのが好きで、というか、机に向かう以外のことをしようと思わないので、体が固まってしまっているらしい。仕事も含めて机に向かうのが性にあっている。だけどこんなことして体がどうもないのは若いうちだけだよね。意識的に体をほぐしていかないと、病気になるぞと思う今日このごろである。現に足が悪くなっているんだけど…。
今日もあちこちから声がかかったり、かけたりいそがしかった。あまり人に深入りしないでつきあう方法が身についてきたみたい。

2002.7.2


夏の花


土佐堀川沿いの植え込みの中に、百日紅が咲いているのがバスの窓から見えた。そう言えば公園では木槿が咲いている。夏の花の季節になったんやなあ。サルスベリもムクゲの花も真夏の花なのに涼しげで、暑い昼間に歩いていて見かけると救われる思いがする。毒々しいほどのピンク色の夾竹桃は暑苦しいけど嫌いではない。太陽の下でたくましく咲いているところが好き。
歩いていたらよその家の垣根から白粉花の紅色がかいま見えた。これも好きな夏の花である。まだアジサイとクチナシが目立っているけど、もうすぐ真夏の花が盛りの季節になる。もう今日は7月だ。
今日から市民プールで屋外プールがはじまった。芝生の中に丸いプールが2つあって、噴水もあり、かき氷などの売店も開いている。午前中はだれもいなかったけど、午後からは子どもたちが来てにぎやかだろうな。夏休みになったら毎日楽しそうな子どもの声が響くんだろうな。

2002.7.1

写真:矢川澄子『アナイス・ニンの少女時代』河出書房新社(2002.6.20)

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