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kumikoのほとんど毎日ページ
2004年9月


Jazz room "nu things" で辰巳哲也のトランペットを聴く

音楽を聴いて幸せな気分になることが最近なかった、ということが辰巳哲也の音楽を聴いていてわかった。そして音楽がわたしにとって必要なものなのに、ないがしろにしていたこともわかった。
今夜、これを聴けばクラブジャズがわかるという言葉に惹かれて Jazz room "nu things" に出かけた。8時からはじまったのは若手の女性2人(ピアノとソプラノサックス)、男性4人(ピアノ、ギター、ベース、ドラム)の2つのバンドの演奏だった。最初のはまあまあという感じだったが、次のでベースの音が出たとたんになつかしさでいっぱいになった。ジャズはわたしのふるさとなんだー。
その後に出てきた辰巳哲也は、大柄で少し太目だが黒い皮のパンツに赤いシャツがよく似合っていた。演奏スペースに一人で立ち、横にはデスクトップのパソコンが置いてある。リズムトラックからなんでもすべて自分でパソコンに打ち込んであるのだそうだ。そこから出る音の上に生のトランペットの音が重なる。その音がねぇ、すごいの。自分で作った音の上に乗せるのだからよく合っているはずだ。上に乗り、からみつき、協調する、とてもセクシーなの。今夜はほんとに幸せだった。
最後に出演ミュージシャンたちとセッションをやったけど、これも上等。忘れていたモダンジャズの味わいだった。
終わったのが11時半、興奮を歩きながらさまして帰った。立待月が見事に輝いていた。

2004.9.30


秋蚊

昨日このページにひどい蚊に悩まされていることを書いたら、今朝の朝日新聞の生活ページに「油断大敵 しつこいぞ 秋蚊本番」という記事があった。イラストがついているが、うちで死んでいたのとおなじ横縞のズボンである。なんや、うちだけやなかったんや。
実はあんまり蚊の話は人にしないことにしている。だいぶ前の話だけど、近所の商店の店主夫人としゃべっているとき、「昨日の夜は蚊が出て・・・」と言ったら、彼女は「えーっ、オクサンとこは蚊がいるの?」とたいそうに驚いてみせたのである。これにはこちらが驚いた。自分がいいマンションに住んでいるからといって、借家住まいを差別するなよ。わたしは一応得意先なのである。大阪商人も地に落ちたものだ。その後もなんやかやありそこで買い物をしなくなった。
まあそんなことがあって、人に蚊がいるなどと言うて、えらそうに驚かれるのはかなわんなと、人には言わないようにしていたが、昨日はあまりの蚊のやりたい放題にぽろっと書いてしまった(笑)。
新聞の記事によると、今年は梅雨に雨が少なかったので雨水がたまりにくく蚊が少なかったけれど、気温や水などの環境が整った9月以降に増加傾向だそうである。昨日あんなこと書いて、うちだけやったらかっこわるいなと、後でちらっと思ったのだった(笑)。
今日の献立
今朝はスープストックがなく、ミルクも切れていたので、スープはジャガイモを茹でてつぶし、キャベツをクレーターでおろして入れたスープにした。味つけは塩とコショウだけ。病み上がりの人に食べさせたいような素朴な味だった。これも丸元さんの料理。
朝:バナナ、ヨーグルト、スープ(ジャガイモ、キャベツ)、ベーコンエッグ、ポテトサラダ、紅茶、コーヒー。
昼:マクドのマックグラン(マクドの店に入ったのは10年ぶりくらい、お持ち帰り)、コーヒー、柿。
晩:ご飯、みそ汁(わかめ)、鯖の味噌煮、さつま揚げと小松菜の煮物、柴漬け、焙じ番茶、柿。

2004.9.29


今夜もヤブ蚊がお出まし

今年は夏のはじめは蚊が出なかったので喜んでいたのだが、夏も終わりになっていつまでもヤブ蚊に悩まされている。
うちで使っている蚊遣り線香は、その名のとおり蚊を追い払うだけで殺さないのである。同じ蚊かどうかわからないが、とにかく毎夜出現して血を吸っている。両手で叩いて絶対に殺したと思っても、どうやって出て行くのか手を広げるといない。夜遅くパソコンに向かっている手の関節の曲げるところを咬む。もちろん足の出ているところを咬む。
もう出ないだろうと蚊遣り線香をつけないで寝ると、夜中に腕を咬むのはいいが、ぷーんと耳元に勝利のラッパを吹くのである。
昨夜はキーボードのオプションキーの上に止まっていた。叩こうにもしようがないので追い払おうとしたら、飛んでまたデリートキーに止まった。そして結局逃げて行った。そしたら猛烈に膝のあたりが痒くなった。着ているものの上からも咬むのだ。
今朝、太った蚊の死体を植木鉢のそばに見つけた。こいつが犯人だったかとしばし眺めたものである。夜になってから2匹叩いた。こんなにとろくなっているのは、お腹いっぱいで動けなくなっていたのか、もう生涯が終わりかけていたのかどっちかだろう。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、スープ(ベーコン、タマネギ、グリンピース)、キャベツと卵とハムのバタ炒め、紅茶、コーヒー。
昼:焼き飯、紅茶。
晩:焼酎湯割り、アジのムニエル+刻みキャベツ、茹でブロッコッリー、みそ汁(サツマイモ)、ジャコおろし、紅生姜、焙じ番茶。
夜食:黒ビール、こるまめ、ピーナツ。

2004.9.28


DVDで押井守監督「イノセンス」

先日「攻殻機動隊」をビデオで先に見たので「イノセンス」の世界にすぐ入っていけた。「攻殻機動隊」の続きで、押井守の脚本・監督である。
2032年、人間とサイボーグが共存する世界。「攻殻機動隊」で活躍した政府直属の公安九課の刑事バトー(強くて心優しきサイボーグ)とトグサ(妻子のいる人間)は、ロクス・ソルス社製の愛玩用少女ロボットが暴走して起こした殺人事件の捜査を担当することになる。いっしょに捜査に行くがバトーは問答無用で銃を撃ちまくる。まるでクリント・イーストウッドのハリー・キャラハン刑事である。バトーが家に帰ると愛犬が迎える。このあたりは「リーサル・ウエポン」を思い出す。しかし画面は美しくシュールで、ハンス・ベルメールやルネ・マグリットやダリを思い起こさす。ロクス・ソルス社の建物に入っていくときの美しい画面は「去年マリエンバードで」を思い出させる。
草薙素子はネットワークの中に意識があるだけの存在だが、バトーの危機のときには意識で援護する。人形の中に入って裸形で出てきたとき、バトーが上着を着せかけると「あなたって変わらないのね」と言うのがおかしい。
捜査中に出会った検死官ハラウェイは、パトリシア・コーンウェルの検屍官を思い出させるクールな女性でかっこいい。この人もサイボーグであるが、今回の人間と人形の事件について意見を述べる。見ているときは、なるほどと思ったのだが忘れてしまった。もう一度見ないと・・・。
もうもう、すごいセリフがいっぱいで、一度見たぐらいじゃわかりゃしません。画面はあくまでも美しく、バトーとトグサのコンビは楽しいが・・・。最後のシーンは笑ったが、人形の瞳は謎を秘めていた。

2004.9.27


夜中にふと思いついて・・・

突然、冷蔵庫の掃除をした。ここ10日くらい体調がよくないのに遊びに行ったのがこたえて、風邪を引いてしまったが、ようやく治りかけた気分になった。今日は汚れた部屋の掃除をして、4台のパソコンのキーボードをていねいに拭いた。キーとキーの間は綿棒と爪楊枝でゴミをとった。4つのキーボードが輝いている。ああ気分よい。
最後はさっき12時になったとたんに冷蔵庫の掃除にとりかかった。涼しくなったこともあるよね。暑いさなかには冷蔵庫の掃除なんてやる気が起こらなかったもん。冷蔵庫の中の残り物というのがうちにはないので、そういう掃除はいらないのがジマンである。ほとんどは野菜が入っているのを出して、洗う物は洗い、拭くところは拭いた。ああ気持ちよい。
さて明日からは、出さねばならぬメールも片付けて、帳簿もしっかりとつけて、仕事も入りそうだし、やることやっていかなくちゃ。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、カレー、サラダ(トマト、キャベツ)、ライ麦パン+ハム+カマンベールチーズ、紅茶、コーヒー。
昼:フレンチトースト、ミルク、リンゴ、柿。
晩:カレーライス、サラダ(トマト、ニンジン)、ラッキョ、焙じ番茶、暴君ハバネロ、コーヒー。

2004.9.26


フランソワーズ・サガン

今日の午後ネットのニュースでフランソワーズ・サガンが亡くなったことを知った。夕刊にも大きく出ていた。わたしの時代がすこーし終わったような気がする。
サガンを読み出したのはいつごろだったろう。「悲しみよこんにちは」は評判に反発してそっぽを向いていた。なにがきっかけになったのか、はじめて読んだのが「一年ののち」だった。それから「ある微笑」を読んで「悲しみよこんにちは」を読み、あとは出版されるのを待って読み続けた。
「スウェーデンの城」「ブラームスはお好き」「すばらしい雲」「優しい関係」・・・それぞれの主人公の会話をいまも覚えている。わたしはサガンから愛の言葉のほかに、イヤミ・ハグラカシなどのやりかたも学んだ。
「一年ののち」ほど何度も読んだ本はない。ジョゼはわたしに似ていると言われているくらいに、わたしはジョゼの“やりかた”の真似をした。サガンがいないのがさびしい。

2004.9.25


カレーにはカリフラワー

ずっと昔、もう20数年も前のことだが、ネパールに旅した友人夫妻がカレー用のスパイスをお土産にくれた。つぶつぶの実のようなものをすり鉢でつぶしして使うように、そして絶対カリフラワーを入れるようにと言った。そのカレーが気に入ったので、それ以来うちのカレーはカリフラワーが基本に入り、スープはしゃぶしゃぶしている。
最近はカレーペーストが美味しいのを発見したので、スパイスは簡単に、コリアンダー、クミン、グラムマサラを加えてつくる。たいていはチキンカレーである。まず冷凍してある野菜のスープストックを解凍しておく。チキン(手羽元)はカレー粉をまぶしておく。ニンニクとタマネギを20分くらい炒めて、ジャガイモ、ニンジン、カリフラワー、エリンギ、セロリ、ピーマン、オクラ、インゲンなどを炒めて、塩とスープを入れ、チキンを炒めて入れる。煮えたらカレーペーストを入れて、月桂樹の葉を入れて、コリアンダーとクミンを入れてゆっくりと煮る。1時間ほどしてからトマトをつぶして入れる。そのあとグラムマサラを入れる。あとはゆっくりと弱火で煮込むだけ。
時間がかかるし、立っているのがしんどいが、大鍋でつくるので3食以上これでいける。あとがラクと思うと機嫌良くつくるのである。今日も風邪引きでしんどかったが、堀江の安売りスーパー「玉出」まで行った。安売りスーパーだけでは夢がないから、そのへんのおっしゃれな雑貨店をぶらついて気分転換を図ったってわけ。カリフラワーは安売り店でも1個450円だったけれど、これは欠かせないので買った。野菜たっぷりのカレーをたくさん食べたせいか、風邪はだいぶよくなりました。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、ホットミルク、スクランブルエッグ、チキンソーセージ+レタス、紅茶、コーヒー。
昼:マカロニ(ツナ缶、トマト、ニンニク、パセリ、チーズ入り)、タルト、紅茶、リンゴ、柿。
晩:ジンフィズ、コールスロー、カレー、ご飯、コーヒー。

2004.9.24


木村二郎さん訳 エドワード・D・ホック「サム・ホーソーンの事件簿 III 」

3冊目になった「サム・ホーソンの事件簿」はますます楽しい短編集である。最初はとっつきにくかった1930年代という時代にも、ニュー・イングランドという場所にも慣れて余裕を持って読んでいる。物語は高齢になったホーソーン医師が、若者に語りかけるかたちになっている。ひとつの物語の最後は「うん、その話は次回にしよう」となるので、これ一編だけ読んであとはまた明日と思っているのに、次を開いてしまうのである。そしたら今度は御神酒(おみき)を訪問者のグラスについで語りだす。強い意志がないと読むのをやめられない。
サム・ホーソーンは開業医で10年以上も看護婦のエイプリルと一緒に仕事している。地域になにか犯罪が起きるとレンズ保安官とともに事件の解決に取り組み成果をあげる。エイプリルとは気が合うのに仕事上のつきあいだけで、30代の半ばというのに独身である。
当時は禁酒法がまだ施行されていて、撤廃されたのが1933年12月5日火曜日のことだった。ホーソーンの住むノースモントでの解禁日のことが「密封された酒びんの謎」にくわしく書かれている。もちろん、その夜に派手に事件が起きる。
事件にのめり込みすぎて患者をないがしろにしたことがあり、反省して医者の道にせいを出していても、死体が目の前に現れる。そして保安官に頼りにされる。旅に出ても同じことで、クリスマス休暇でケイプ・コッドへ行く途中でも、新しい車でエイプリルとメイン州へ行っても死体と出くわす。
わたしがいちばん興味を誘われたのは「窓のない避雷室の謎」。当時は家の中に避雷室という窓のない部屋があって、雷が鳴ると全員その部屋へ入って雷をやり過ごしたらしい。その部屋を一度見てみたいものだ。
エイプリルはメイン州のホテル経営者と仲良くなるが、ホーソーン医師はまだ独身である。生涯独身なのかしらと思っていたら、木村仁良さんのあとがきに1941年に美人の獣医と結婚したとあってほっとした。次巻が楽しみ。(創元推理文庫 860円+税)

2004.9.23


手づくり「ブルーベリージャム」と肥後の珍味「こるまめ」

もともとすぐに友だちができるほうだが、VFCを引き受けてからは札幌から四国までに交友が広まった。その後はネットである。たくさんの方々からメールをいただいたが、その中でYOKOさんとKAZUMIさんの二人と特に親しくなった。毎日二人のサイトを訪問して、ときどきBBSに書き込んでいる。
ものをもらったから親しいというわけではないが、YOKOさんからは手づくりのブルーベリージャムとお庭にある月桂樹の葉をたくさんいただいた。そしたら今度はKAZUMIさんが「こるまめ」を送ってくださった。
大きい瓶のジャムは毎朝ヨーグルトに入れて食べているが、食べてしまうのがもったいないので、少し残っているのを眺めている。月桂樹の葉は野菜スープに欠かせない。市販品よりもずっと香りが高いのがうれしい。
今年の春ごろBBSで「納豆」の話で盛り上がった。いろんな食べ方が披露されて、わたしもキムチやオクラやメカブなどを入れて食べてみたが、結局また醤油だけにもどってしまった。そのとき乾燥納豆の話も出た。わたしはシャーロックホームズがたまにサービスで出してくれる、乾燥した納豆が10粒くらい小さな袋に入っているのを思い出した。そのときのことをKAZUMIさんが覚えていてくださって、熊本の名物の乾燥した納豆「こるまめ」を送ってくださった。さっそく食べてみた。これはうまい。後を引いていくらでも食べられる。焙じ番茶の友となって食後のひとときが楽しい。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト+ブルーベリージャム。カボチャスープ、ジャガイモとタマネギとベーコン炒め、野菜パン、紅茶。
昼:ジャンボいなり、焙じ番茶、柿、リンゴ。
晩:ご飯、イカ大根、イカゲソのワタがらめ、きんぴらごぼう、柴漬け、こるまめ、焙じ番茶。
晩食後:タルト、紅茶。

2004.9.22


「攻殻機動隊」をビデオで見た

押井守監督の作品「MAROKO 麿子」をはじめて見て、そのセンスに好意を持ってしまった。毛嫌いしていたアニメだけど見たらおもしろい。そこへ「イノセンス」がものすごくいいらしいと、ネットでの評判をちらっと相方が言うんだよね。「イノセンス」というかっこいいタイトルに惹かれ、その手に乗ってアマゾンへDVDを注文した。届いたのですぐに見ようとしたら、これは「攻殻機動隊」の続きやから先にきちんと「攻殻機動隊」を見とかな話が通じへんで、とのことでビデオで見ることになった。なんか話が勝手に進んでいくやん。
それで「攻殻機動隊」のビデオのほうを昨日の夜じっくりと見たんだけど、よかったのでびっくりした。いままで食わず嫌いでごめんなさい。画面がすごくきれい。ちょっと「ブレードランナー」を思い起こさせる国籍不明なアジア的風景のところもあるし、ロスアンゼルスみたいな感じのところもある。主人公のバトーはなぜか、わたしにはフィリップ・マーローに似ていると思えた。ちょっと感傷的なところがある。またよく考えればハードボイルド警察小説でもある。
というところまでは、わたしのわかる範囲。ほんとはネット社会や情報というのがメインのテーマなのだが、そのへんのことは一度見ただけでは理解できなかった。漠然と感心しただけである。これから何度でも見てわかってやるぞ。士郎正宗の「攻殻機動隊」も読むぞ。
女主人公の“少佐”と呼ばれている草薙素子は義体(サイボーグ)なんだよね。最後の壮絶な闘いと、その後の合体(?)みないなことやら、次に期待を抱かせて終わった。「イノセンス」が楽しみ。

2004.9.21


田辺寄席30周年第2回公演(2004年9月17日)

さっき若い友人からとてもうれしいメールをもらった。わたしが田辺寄席のことを書いているのを読んで、地域の落語会に行ったんだって。二度行ったってことは、ちょっと行ってみようという気持ちではなく、ほんとに落語ファンになったんだと思う。演者・演目を書いてくれたのがわかるのは、わたしもけっこう落語通になったってことかな。
「開口0番・英華のいいたい放題」、グレーの濃淡の縞の着物に紺地の帯がとっても粋な英華さん。田辺寄席は客として聴いていたんだって。その時期が新聞では高校生だが、ほんとは幼稚園のときだったって笑わせてくれた。
「兵庫渡海鱶魅入」、銀杏色の着物姿が美しい桂文太さん。金比羅宮への参詣をすませ、清六と喜八が大阪へもどる船の中で、なぞかけをして楽しむ。人々の個性をそれぞれに演じて円熟の芸。田辺寄席に最初からかかわって30周年を迎えたいま、「私の人生そのものです」と記念誌に書かれた文太さんはほんとにうれしそうだった。
「茗荷宿」林家染弥さん、初々しさがあふれる若手。さびれたところにある旅籠に久しぶりに客が泊まり、大金を帳場に預ける。それを忘れさそうと茗荷を使った料理をいっぱい食べさせる。一度は忘れたものの取りに戻ってきたので、なーんやとなるが、結局は宿料をもらうのを忘れていた。わたしが忘れっぽいのも茗荷が好きなせい?
「黒雲のお辰」(講談)、旭堂南華さんは若くて明るい女性。正直者の百姓が大和から江戸にいる領主へ、百五十両という大金を届けるように命令される。江戸までは無事に着いたが、両国の花火の混雑の中で胴巻きを盗まれる。川へ飛び込もうとすると美しい女性(黒雲のお辰)がとめてお金をくれる。お辰は後に捕らえられて死罪のところを、大岡越前守に助けられ尼になって旅に出る。
「女道楽」は大阪には内海英華さん一人しかいないそうだ。はじめて知った言葉なので調べたら「女道楽」とは普通の人の芸事とはひと味違う芸であり、かといって玄人から見ると、粋やなぁというところがないと「道楽」ではないそうな。英華さんを見たらわかった。ほんとに粋。都々逸を聴いていたらお酒を飲みたくなった。
「皿屋敷」桂米八さん。寄席では独楽の芸で知られている人らしい。年に何度も落語はやらないそうだ。米朝師匠から十年前に出身地姫路にちなんで教えてもらった「皿屋敷」はお菊さんがお皿を数える怪談。歌舞伎なんかで知っている江戸の話かと思っていたが、各地に伝説が残っているそうだ。ここでは「播州皿屋敷」。最初は怖くてどうなるのかと思って聴いていたら、最後はどっと笑わせてくれた。

2004.9.20


夜遊びも朝までは無理

昨夜は11時過ぎに出かけて(出かけるまで相方は仕事してたし、わたしも家事を片付けてたし)、帰ったら3時でバタンキュー、目が覚めたらお昼の12時だった。寝る子は育つというけれど、わたしにとって睡眠は健康のもとである。久しぶりにこのページもお休みしてしまった。
先日オープニングの日に行った阿木譲さんのクラブ「jazz room "nu things"」にまたお誘いを受けたので行ってきた。今回は実質的なオープニングでもあるということで、関西の若手ジャズミュージシャンの演奏を聴けるのが楽しみ。そして阿木さんの DJ ぶりを見る楽しみもあった。
街中に住んでいるお陰で夜中に出かけるのもカンタン、タクシーでさっと行った。そしておしゃれなブルーのネオンサインの下の階段を降りると、大音響が響いて別世界である。広い店内は演奏者や客で賑わっていた。この広さはええもんだ。昔のジャズ喫茶は狭くてビンボくさかった。アビー・リンカーンを聴いたときは、彼女の膝がいちばん前で低い椅子に座っていたわたしの膝にぶつかっていた。あれはあれでよかったけど、広いお店でくつろいでいるいまはいまでよい。
入ったら女性の歌い手が「アフロブルー」を歌っている。なつかしやと聞き入った。この日の演奏は全体に柔らかくて、仕事に疲れたアタマにちょうど良く、阿木さんの DJ も心地よく眠気を誘ってくれた。繰り返しが心地よく眠っては醒め、またうとうとと心地よくなった。
それでも朝5時までは無理。前日は落語のあとの飲み屋で遅かったし、昔のようにはいきません。3時が限界だった。

2004.9.19


田辺寄席30周年記念公演2回目

今月は田辺寄席をはじめて30年となるめでたい月で、なんと17日昼/夜と19日昼の3回の記念公演を催す。その2回目が今夜で、とても楽しいムードに満ちあふれた夜であった。
出演者は、「開口0番・英華のいいたい放題」内海英華、「兵庫渡海鱶魅入」桂文太、「茗荷宿」林家染弥、「黒雲のお辰」旭堂南華(講談)、「女道楽」内海英華、「皿屋敷」桂米八。
いまは酔っぱらっているので、詳しい内容は明日書くことにして、とても楽しい夜を過ごしたのみを今日は書いておきます。
立派な30周年記念誌をもらった。実はわたしも〈全国の多くの方からの熱きメッセージ〉に参加させてもらっているのだが、70人もの人たちが熱いメッセージを寄せている。観客・関係者・有名落語家さんらが入り交じって同じ扱いになっているところが田辺寄席なんだと思う。
中入りのときはお菓子をたくさん食べて、演題紹介を毎月書いておられる中川さんとお話できてよかった。
英華さんの都々逸の影響か、おいしい日本酒が飲みたくなり、堀江の鳥取県料理の店で酒と魚で乾杯。
今日の献立
朝:ヨーグルト+ブルーベリージャム、コーン入りミルク、トリ胸肉の蒸し焼き+レタス、サラダ(キャベツとトマト)、紅茶、コーヒー。
昼:おにぎり(梅干し、海苔)、おから、焙じ番茶。
夜のおやつ:田辺寄席の駄菓子とお茶。
遅い晩:ビール、日本酒(鳥取の地酒)、どてやき、ポテトサラダ、カツオのたたき、白イカの味噌漬、あごのちくわ、シジミのみそ汁、おにぎり、番茶。
今日もよく食べた。

2004.9.17


季節はめぐる

大阪はまだまだ残暑がきびしい。それでもここ数日、夜はかなり涼しくなったと思っていたが、今日は夜になっても蒸し暑い。暑い暑いとこぼしながらコピーを夜遅くまでとっていた。会報作りを終えて明日は送るのだが、今月は長文の原稿を書いたし疲れた。明日の夜は遊ぶぞ。
まあ暑いけれども、確実に食べ物は秋になっている。トマトとキュウリがべらぼうに高くなって、味も落ちてきて食べる気がしなくなった。代わりにおいしい北海道のカボチャがある。里芋がある。ほうれん草もこれから美味しくなるだろう。リンゴや葡萄や梨も美味しそう。
今日はスーパーに西村柿というのがあったので買ってきた。「ポラン」ではまだないがもうじき平種柿が出始めるだろう。とっておきのアケビのカゴに柿をいっぱい盛ると部屋が秋色になる。富有柿が出てきたら、季節は涼しさから寒さに変わっていくだろう。そうそう、そのうち甲州葡萄が出てくる。あの薄紫色にほろりとなるのは幼児体験のせいかしら。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、カボチャスープ、オープンサンド(ハム、レタス、トマト)、紅茶、コーヒー。
昼:グレープフルーツ、ココナツ餡のパン、ミルク、紅茶。
晩:うなぎ丼、カボチャの煮付け、たくわん、柴漬け、焙じ番茶。

2004.9.16


プール行き続けています

このページを読んでくださっているかたから、最近プールのことが書いてないけど行ってますかというメールをいただいた。はい、行っております。少しさぼりがちですが。
たいして忙しくもないのに、8月からずっと週に1回か2回なので、今週は3回行きたいと思っている。プールに歩いて行けるようになって、毎日でも行くぞと思っていたのだが、バスで行ってたときよりも緊張がなくなったのか、さぼるのが増えたみたいだ。なにごとも長続きしないわたしとしては“3日、3月、3年”という3年を過ぎたのだからすごいことなので、これからも続けようと思う。
今日は肩こりがひどかったので、歩くのといっしょにストレッチもやって肩をほぐした。西区民プールは下福島のように1時間ごとの休憩がないので、人と話をする機会が少ない。あそこは休憩のときはジャグジープールに入って賑やかだった。ここは水から上がるときは、ジャグジーが空いているかどうか確かめる。わたしが行く12時から1時は空いている時間で、ジャグジーもたいてい1人だし、サウナも空いているので、めったに人と話さない。にこっと黙礼という感じの相手は何人かできたけど。
最初のころは、賑々しくしゃべりかけてくる人がいたが、そういう人はもう来なくなったみたいで、1人で黙々と歩いている人が多いし、仲良く連れだっているのは元々仲が良い人のようだ。これがいいと思うことがあるし、前のように賑やかなのが懐かしくなったりする。
ここのところ食べ過ぎで体が重い。先週の土曜日なんか人と会って、おやつにお好み焼きを食べ、帰ってから晩ご飯を食べた。こんなことしとったらあかんわ。食べるのを控えてプールで運動しなくっちゃ。ま、なんとか言ってても、歩いてプールに行ける! ありがたいです。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、カボチャスープ、オムレツ(チャイブとチーズ入り)+マカロニ、紅茶、コーヒー。
昼:ざるうどん、焙じ番茶、りんご。
晩:ご飯、みそ汁(豆腐とネギ)、子持ちソフトにしん、さつま揚げとタマネギとシメジの煮物、サツマイモのレモン煮、柴漬け、焙じ番茶。

2004.9.15


花屋に秋の野の花

買い物の帰りにちょっと花屋の中を見たら、紫苑、藤袴、吾亦紅、鶏頭、小菊などがあった。いづれも野性味がなくてこじんまりとしている。野の花は栽培されて都会の人に愛好されているようだ。わたしはもちろん買いません。雑草のヤエムグラになっている長堀通の遊歩道から、アカマンマでも引っこ抜いてくるわ。
紫苑の花が好きだ。すっと伸びて背より高くなり、その先に薄紫の小菊のような花がいっぱい咲いているのを、子どものころ田舎の庭で見て以来だ。室生犀星が自身の作品の中で、道綱の母につけた「紫苑の君」という名がうれしかった。狭い大阪の花屋の店先にひっそりとある紫苑の花は哀しい。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、野菜スープ、茹でた鮭とゆで卵+刻みキャベツ、紅茶、コーヒー。
昼:グレープフルーツ、焼き飯、焙じ番茶。
晩:ご飯、みそ汁(ナメタケ)、フライパンで焼いたイワシ、もやしのごま和え、イカゲソのわたがらめ(一昨日の残り)、納豆、梅干し、焙じ番茶。

2004.9.14


レーベジェフ絵「しましまのおひげちゃん」と「こねこのおひげちゃん」

「幻のロシア絵本1920-30年代展」に行ったとき、とても感心した絵本があり、その復刻版があったので買って帰った。猫と少女がすごく可愛くて、ときどき出して眺めている。その絵本の詳しいことはこのページの4月5日に書いているけど、わたしにはとても考えさせられるところがあった。
うちの近くにある中央図書館は子どもの本がたくさんあって、展示もよく考えられている。1冊ずつ絵本を探す時間がないときは、表紙を展示してあるのをざっと見るのだが、わたしの目に入ったのは「こねこのおひげちゃん」という絵本だった。女の子が黒い猫を抱いている。あれ!レーベジェフ絵「しましまのおひげちゃん」が絵本になっていたんだ、とびっくりして後生大事に借りて帰った。「岩波の子どもの本」の1冊である。(レーベデフ絵となっている、1978年9月初版)
でも雰囲気が違うなと復刻本と比べてみたら、少女の表情も猫の姿も違う。復刻版の表紙はいやがる猫をぎゅっと抑えているが、こちらはおとなしく抱かれている。ユーモラスな椅子が普通の椅子になっている。中もちょっとずつ違う。全体から猫の野性味や少女のイケズっぽさが抜けている。ひたすら甘くなっている。あーあ、先に復刻版を持っていてよかった。(岩波書店 750円)
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、野菜スープ、鮭のバタ焼き+マカロニ、紅茶、コーヒー。
昼:リンゴ、ぶたまん、焙じ番茶。
晩:ビール、おでん(ネギマ、糸こん、さつま揚げ、きんちゃく)、ご飯、納豆、梅干し、焙じ番茶。

2004.9.13


押井守監督の作品を初めて見た「MAROKO 麿子」

わたしはSFとアニメが苦手だが、同居人が好きなのでタイトルなどはよく知っている。家には「攻殻機動隊」や「アップルシード」の本やビデオやDVDがあるし、SFの貴重本もたくさんある。でもタイトルを見るだけで中身を読んだり見たりしたことがない。わたしのほうはミステリーと乙女ものときれいに別れている。真ん中にあって二人とも読む本もあるけど。
今夜はご飯をゆっくり食べてワインでほろ酔いになったときに、テレビのアニメ番組で押井の脚本・原作・監督の「MAROKO」があると言うので、お茶を飲みながらつきあった。ええかげんなところで横になろうという魂胆だったが、おもしろくて最後までいってしまった。わたしはアニメでは「クレヨンしんちゃん」はが例外的に好きなんだけど、「MAROKO」はちょっと似ているところがあった。
平凡なサラリーマンの四方田家(父母と息子の犬丸17才)にMAROKOという美少女がタイムマシンでやってきて、犬丸には「おじいさま」父には「ひいおじいさま」と呼びかける。男組は喜び、母はあほらしいと言って出て行く。この母って現実的で高圧的でしっかりしていて総合職の女性という感じなのがおかしい。男組とMAROKOは毎日朝晩“鍋物”を食べて暮らす。“鍋物”は家庭そのものだからということだ。そこにタイムパトロールと自称する男が現れる。彼をやっつけた犬丸はMAROKOを連れて逃亡生活を始める。その生活がまるで“神田川”なのだ。ギター抱えた犬丸が歌うのが70年代のフォークソング調。そこへまた邪魔が入り・・・とストーリーが展開する。
フォークソング調の歌もだが、親に対する犬丸の気分なんかが68年〜70年という感じ。そのころを思い出させるセリフがめっちゃおもしろくてお腹を抱えて笑った。
今日の献立
朝昼兼用:バナナ、リンゴ、ヨーグルト、コーン入りミルク、フレンチトースト、紅茶、コーヒー。
晩:ワイン(チリの新酒)、フランスパン、イカのサラダ、マカロニ、イカゲソのワタがらめ、紅茶。

2004.9.12


再会

何十年も会っていなかった東京在住のK子さんが、娘さんと孫(小4)との3人連れでUSJに来るついでに会いたいとのことで、今日は半日おしゃべり&大阪観光につきあった。彼女らは早朝に東京を発って水上バス、大阪城の見学をしたそうだ。午後わかりやすいところでと大阪市役所前で待ち合わせた。
娘さんたちは別行動することになっていたが、ミナミ(具体的にはグリコの看板の前で写真を撮りたい)や大阪らしいところに行きたいというので、いっしょに行動することにした。
タクシーで道頓堀に行き、戎橋で念願の写真を撮り、法善寺横町で水掛不動さんに水をかけてオミクジをひいた。わたしのは「凶」と出た。「弱り足る馬が遠き道に赴き長き旅に疲れたる如く・・・」とある。なんか名文。こういうクジはそこで木かなにかに結びつけるものらしいが、わたしはめったにひかないオミクジなので持って帰った。「凶」を玄関に貼っておけば地震も怖がって逃げるかも。
夫婦善哉でぜんざいを食べて、通天閣へタクシーで。ここに上がるのは30年ぶりくらいか。四方の見晴らしがいい。天王寺動物園の広さと緑に感動した。ミナミにもどって道具屋筋を通って道頓堀の風月でお好み焼きを食べた。その間しゃべりっぱなし。
K子さんは「これ覚えてる?」と小さなよれよれの写真を出した。わたしが転校で彼女と別れるときにあげた写真で、ちゃんと裏に献辞と署名がある。小学生のときにこんなことをしたのかと驚いた。少女小説の読み過ぎやな。しかし、ずっとその写真を持っていてくれた友情には感謝しなくっちゃ。わたしのほうは連絡しようなんて思いもしなかったんだから。再会を約束して天王寺で別れた。
今日の献立
朝昼兼用:バナナ、ヨーグルト、カレー(昨夜の残り)、トースト、ブルーベリージャム、梅ジャム、紅茶、コーヒー。
おやつ:ぜんざい、ビール、お好み焼き。
晩:ビール、日本酒、お刺身(ヒラマサ、イカ)、満願寺唐辛子とジャコの炊いたん、お茶漬け、漬け物(キュウリ、たくわん)、焙じ番茶、赤福。

2004.9.11


ローリー・キング「シャーロック・ホームズの愛弟子 エルサレムへの道」

「シャーロック・ホームズの愛弟子」シリーズの5冊目を読み終えた。5冊目だけど年代順になってなくて、1冊目の物語で「余話」となっていた部分なのである。
1冊目で主人公メアリ・ラッセルはホームズとサセックスの丘陵で知り合う。メアリは15歳だった。両親と弟を事故で亡くして一人残ったメアリは叔母と同居しているのだが、そりが合わずいつも外に出て本を読んでいた。草原にいたホームズの足を踏んづけたのが縁で話をし、ホームズの家でお茶をよばれる。素晴らしい才能を認められて即ホームズの弟子となり、ハドスン夫人にも可愛がられて教育され成長するのである。
見習い期間のように村で起こった事件を解決したメアリは、上院議員の娘の誘拐事件でも目覚ましい働きをする。そのあとでホームズとラッセルそしてワトソン博士までにしかけられた大きな犯罪があり、その途中に「余話」があって、こういうことがあったと記されているわけだが、その話を1冊の物語にまとめたのが本書である。最初からこの物語を書くように計画されていたのだ。ローリー・キングはスケールが大きい作家だと改めて感心した。
ラッセルとホームズは1918年、第1冊目に書かれている事件から一時的に退却するために、ホームズの兄マイクロフトが提案した土地5カ所の中からパレスチナを選ぶ。港で出迎えたのは二人のアラブのベトウィン、マフムードとアリーだった。メアリとホームズはベトウィンの父と息子に変装して一緒に各地を旅する。このへんのことは、わたしの知識は映画「アラビアのロレンス」しかない(ロレンスは本書の中に登場する)。記憶を総動員してあのときのイギリスの指導者はアレンビー将軍だったと思い出した。400年にわたる支配を続けたオスマントルコに劇的な勝利をおさめたイギリス軍だが、占領直後のパレスチナには不穏な空気が流れている。出迎えたベトウィン二人もまたイギリス軍の密偵で、各地の情報を集めているのだった。
メアリ・ラッセルとホームズの物語を楽しんだだけでなく、歴史の勉強にもなり、現在のパレスチナ紛争の元になったイギリスの三枚舌外交のことも、具体的にわかったのがよかった。
アリーが殴られそうになったときに、メアリがかばおうとするところがあって、アリーは戸惑う。そして言う。「女は戦わないものだ」。それに対してメアリは「この女は戦います」と返事し、ホームズは「この女性は戦う」と請け負う。いい感じ。女性を舐めていたマフムードとアリーが最後に本当の同志として認めるところもよい。認めざるを得ないというところから、認めるまで行く道は長いけど。(集英社文庫 838円+税)

2004.9.10


赤いものばかりに目がゆく今日このごろ

四ツ橋筋の銀行と郵便局に行って帰りは地下鉄に乗ろうと、地下に降りて地下鉄までのクリスタ長堀商店街を歩いていたら、洋品店の真ん中にカーディガンとブラウスがセットになった展示が目についた。通り過ぎたんだけど、赤に細かい白の横縞が入ったカーディガンが気になってもどって店に入った。もちろん若い人向けの店である。近づいてきた店員にちょっと見せてねと言ったら「お色違いもございます」と、紺系統と茶系統とグレー系統の同じ縞柄のを見せてくれた。ははは・・年相応の色ということか。ふんという顔をして「欲しいのは赤やねん」と言ったら、すぐにとって着せてくれた。鏡を見るとぴったり。「お似合いです」そして「そのバッグもよく似合うてはりますね」とほめてくれた。8月のトップに入れた写真に写っているやつである。これは若い人によくほめられる。「雑貨店の窓から呼んでた」と言うと、「このカーディガンも呼んでいたんですね」と応じてくれた。よし、買おう、てなもんで、赤(ワインがかっている)いカーディガンがここにある。メガネのケースも真っ赤やねん。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、カボチャスープ、じゃがいものブレーメン風、ブルーベリージャム、紅茶、コーヒー。
昼:茹でとうもろこし、おはぎ、焙じ番茶。
晩:日本酒、お刺身(はまち)、揚げとシロナの炊いたん、ご飯、みそ汁(大根)、茄子のごま油炒め、サツマイモのレモン煮、紅生姜、焙じ番茶。

2004.9.9


新しいメガネ

新しい遠近両用メガネを受け取りに行った。この間の日曜日、何店か見てまわって気に入ったのがなくて、もう家の近くでええわとなったところで、あそこへ行ってみようとなったお店だ。安くはなかったがシンプルで顔にしっくりと合っていると気に入った。検眼もていねいで、今日かけてみたらほんとに見やすい。パソコン画面もしっかりと見える。目の疲れが違うやろな。
遠視が進んでいるからいつもかけていたほうがいいと、前に買った店で言われていたが、もひとつフレームが気に入らなくて、かけたり外したりとややこしかった。それがついに細かい文字が見にくくなった。前のときは足を悪くしていたので、近所で簡単に買ったのがあかんかった。毎日身につけるものだから、ちゃんと気に入って買わんとあかんね。アメリカ村と心斎橋を新しいメガネをかけて散歩して帰った。
晩ご飯がすんで、さあこれからしっかりと本を読んでと思ったら、今日はサッカーがあってテレビの前だった。終わって台所を片付けて、さあとなったら、またもや地震。5日の2回目と同じ12時前であった。昨夜は熟睡中の3時40分に起こされて、今夜は11時半頃にも軽震を感じた後にいまの震度2である。静かに暮らしたい。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、野菜スープ、ハムエッグ、紅茶、コーヒー。
昼:グレープフルーツ、いもパン、くるみ玄米パン、ミルク、紅茶。
晩:ビール、茹でソーセージ、ご飯、みそ汁(茗荷)、焼き魚(子持ちソフトニシン)、大根おろし、おから、漬け物(キュウリ)、焙じ番茶。

2004.9.8


また来た

目が覚めたときに地震があった。8時半少し前だった。一昨日の地震よりちょっと小さくて大阪の震度は3だった。余震かもしれないが、朝っぱらからいやになる。
こうして1日が始まったが、次は台風18号である。テレビをつけっぱなしで台風情報を聞いていたが、九州、中国地方はすごかった。夕方には日本海に抜けたので、大阪は暴風雨圏をかすったくらいだったが、夕方から大した風が吹いて、ようやく収まったかなと思ったら夜中である。
午後に髪のカットと染めに行ってしゃべってきたのだが、店の人も客も地震の話で持ち切りだった。大きな地震があると、関西に住む者はみな阪神大震災を思い出し、きたるべき南海大地震の恐怖に震える。それで大声で賑やかにしゃべるのである。夜中に慌てて服を来て外へ出たけどブラジャーしてへんかったとか。わたしも友人がケータイとサイフを持って玄関まで出たけど、持っていたのは電話の子機だったそうよと言って笑いをとった(KAZUMIさんすみません)。
なんだか疲れてしんどいです。
明日は白山眼鏡店へメガネをとりにいくのが楽しみ。夕方行って帰りは心斎橋を少し散歩してこよう。お昼にはプールにも行こう(結局、地震以来行ってない、地震の前も仕事があって行ってなかったし)。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、ブルーベリージャム、ゆで卵、サラダ(マカロニ、トマト、ニンジン)、紅茶、コーヒー。
昼:焼きそば(キャベツいっぱい)、クッキー、焙じ番茶。
晩:ビール、茹でた鮭、サラダ(トマト、タマネギ)、ご飯、みそ汁(豆腐とネギ)、納豆、チリメンジャコ、たくわん、焙じ番茶。

2004.9.7


地震のあとは台風だ

昨日の地震はほんまに驚いた。大きい地震が一夜に二度起きるなんて経験はしたことがない。そして後のほうが大きかったし長かった。いつまで続くのかと思った。
でも、これでわが家は一段と防災意識が高まったからよいか。長いこと出していなかった防災用リュックを点検して、黄ばんだものを洗濯して新たに着替えを入れた。ラジオと懐中電灯とローソクも点検。停電や水道やガスが止まったことを考えて、飲料水や非常食をきちんと常備しておこう。
昨日はテレビでだれかが前震と本震と言っていたが、今日になったらそうでなかったみたい。気象庁の人が「今回のようなケースは経験したことがない」と言っている。これが南海地震の前触れでないことを祈るのみ。とにかく地震がいちばん怖いです。
そこへ今度は台風18号北上だって。たまらんわ。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、コーン入りミルク、ハムとマカロニサラダ、ブルーベリージャム、紅茶、コーヒー。
昼:信州そば、かりんとう、焙じ番茶。
晩:ビール、さつまあげ、焼き茄子、伏見唐辛子とチリメンジャコの炊いたん、ご飯、みそ汁(豆腐)、塩鯖、おから、納豆、焙じ番茶。

2004.9.6


震度4が二度

今日の地震はよく揺れた上に長かった。うちはちょうど晩ご飯を食べていて、それも昨日誕生祝いにもらったヴーヴクリコを飲んでいたところだった。大丸まで買い物に行ってもらって、ちょっとご馳走をつくっていい気分になっていた。「地震やー」と言って立ち上がり顔を見合わせていたが、激しく揺れているので、相方がドアを開け、わたしはガスの元栓を閉めた。その間も揺れている。「どないしょ」「大丈夫や」と声を掛け合って玄関でしゃがんでいた。
阪神大震災のときの恐怖が甦って、終わってからもなかなかご飯の続きが食べられなかった。結局はテレビの地震情報を8時まで見ながら食べたけど(笑)。
阪神大震災のときの直に縦揺れしたのと違って、横揺れだったので終わるのを待てばよかったが、あのときのドカンときたのは思い出すだけでも恐怖だ。
掲示板にちょこっと書いた後に、ここまで書いて読み返していたら、また地震・・・さっきよりもひどかったような気がする。テレビをつけたら同じ震度4だが、地震の範囲が広く、津波注意報の範囲もずっと広い。さっきもだが、お向かえさんが廊下に出ていたので声をかけた。前の地震のときもそうだったと思い出した。
二度あることは三度あるかもしれぬ。非常用のリュックを点検し、棚の植木鉢やガラス瓶などをおろした。いまも体が揺れてるようで、今夜は眠れないな。
今日の献立
朝昼兼用:バナナ、ヨーグルト、コーン入りミルク、スペイン風オムレツ、紅茶、コーヒー。
晩:シャンパン、魚のサラダ(カジキマグロ刺身用、トマト、セロリ、レモン)、マカロニ(マカロニ、ツナ缶、ニンニク、トマト、キノコ、パセリ)、フランスパン、ブルーベリージャム、紅茶。※サラダとマカロニは丸元淑生さんの料理をアレンジ。

2004.9.5


VFCサイト6周年と誕生日

VFCサイトは6周年を迎えた。自分の誕生日に発足させたのだから便利である。6年前のことを思うと、ようやったなぁ、いまからこんな大きなサイトはようつくらんと思う。それどころかいまはアップすべき原稿が3カ月分溜まっている。夏バテとか仕事が忙しいと言ってるが、自分の日記だけは書いているから、勝手と言われてもしかたないか。そろそろやらないと原稿を書いてもらえなくなってしまうね。
ま、今日はかたいことは言わんとこ、誕生日やし。
プレゼントをくださった皆様(というほどではありませんが)、ありがとうございました。なーんと、ヴーヴクリコを送ってくださった人がいて感謝感激なのである。夕方届いたので飲むのは明日になるけど、わたくし、ヴーヴクリコって初めて飲みます。明日が楽しみだー。
今日の献立
朝昼兼用:バナナ、ヨーグルト+ブルーベリージャム、カボチャスープ、ハムと野菜(ジャガイモ、タマネギ、エリンギ)炒め、紅茶、コーヒー。
おやつ:クッキー、紅茶、梨。
晩:ワイン(ロス ヴァスコス カベルネ ソーヴィニヨン)、フランスパン、シーフード炒めローズマリー風味、サラダ(トマト、レタス、紫タマネギ、ジャガイモ)、カマンベールチーズ、シュークリーム、紅茶。

2004.9.4


小林旭の美しさにため息がでた―「関東無宿」

鈴木清順監督の1963年の日活映画。小林旭のむちゃくちゃ奇麗な顔にため息が出た。凛々しい眉に清純な目、頬を横一文字にはしる刀傷、たくましいからだ。すっきりとした着物の着こなし。ヤクザ映画はたくさん見たが、鶴田浩二にも健さんにも池部良にも菅原文太にもない美しさだ。
タイトルに平林たい子原作「地底の歌」とあるのでびっくりした。子どもの頃に家にあった「婦人公論」で、なんだかよく理解できないえげつない小説を読んだ覚えがある。それ以来読んでいないけれど、この感想は失礼なのでなにか読まんとあかんな。
この映画は今日はじめて見た。封切り当時は友人の親が日活の株を持っていて株主招待券をくれたので、女の子2人でよく見に行ったのだが、わたしは小林旭が好きで、裕次郎を見たいという友人を引っ張って、「銀座旋風児」シリーズと「渡り鳥」シリーズに通ったものである。だけど基本的に洋画好きと言っていたので、この映画館通いは見栄でナイショにしていた。せこー。
鈴木清順がすごいということはなんにも知らなかった。シリーズ物でないしヤクザ物だったから行かなかったのだと思う。ヤクザ映画に目覚めたのはずっと後で68年頃に東映映画をむさぼり見たものである。それよりずーっと後に、鈴木清順が超有名になってからのアートっぽい映画を見たが、あれらはわたしにはええとはぜーんぜん思われへんかった。
だけど「関東無宿」はすごい映画だ。小林旭扮する主人公が古風なヤクザ道を通していこうとする生き方は、親分の現実主語とぶつかる。好きな女は女博徒で“おかる”といういかさま賭博をやるヤクザの女房である。最近台頭してきた組との抗争がある。ヤクザが好きと言って売り飛ばされる女学生花子がいる。日本家屋の陰影が画面に陰惨な美しさを出している。暗さが美しい。最後に斬り込んで二人を刀で殺し、一人を拳銃で殺して警察に自首するが、それだけやったことが無駄だったと警察で知るところが哀れ。でも自分は自分の思うようにやったからいいのだという気高い男なのである。鈴木清順ってすごい。小林旭もすごい。取り巻く役者たちもすごい。地底から聞こえるような浪花節のようなうなり声がすごかった。もう〜べた褒めです。

2004.9.3


おからの名人(自称)

涼しくなったのでおからをつくる元気が出てきた。「ポランの宅配」に「有機 卯の花」があって、これでつくると何倍もおいしい。先週1週間後に食べたくなる予感がして頼んでおいたのが昨日とどいて、今日はつくる気分になった。
わたしのおからは自己流だけどうまい(ほんま)。吉田健一の「東京の昔」に下宿の女主人のつくるおからがおいしいという話が出て、「あそこのおからには海老が入っているんだ」というのからヒントを得ている。そして映画評論家の荻昌弘のエッセイで読んで、京都の小料理屋のおからがうまい秘訣は“炒る”ことだとおかみさんが言った、と書いてあったのを覚えていて実践している。「東京の昔」は昭和の初期、荻昌弘のエッセイは昭和後期だと思う。
入れるものは、干し椎茸をもどしたのと、ニンジン、ゴボウ、薄揚げを細かく刻んでおく。エビは干しエビでもいいし、残りもののイカの耳でもいいし、冷凍シーフードミックスを入れるときもあるが、やっぱり生のエビがおいしい。最後に青ネギね。うちでエビを食べるのはおからのときだけだ。
出汁と椎茸の戻し汁を入れて煮て味を整え、具を入れて炊く。別にフライパンに油をひき、卵を1個入れてそこにおからを入れて炒る。力いっぱい炒り続けて具を入れて炒り、最後に青ネギを入れて炒る。
それでおいしいおからの出来上がり。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、野菜スープ(ヒヨコ豆入り、カレー味)、ハム+レタス+ブロッコリ、コーヒー。
昼:そーめん、かりんとう、焙じ番茶、リンゴ。
晩:ビール、カレイの干物、大根おろし、刻みキャベツ、ごはん、みそ汁(茄子)、おから、黒ごま、たくわん、焙じ番茶。

2004.9.2


ビデオの映画「デュラス 愛の最終章」

マルグリット・デュラスが81歳で亡くなるまでの16年間をいっしょに暮らした、若い愛人ヤン・アンドレアの存在は新聞や雑誌で読んで知っていた。どんな人なのか、よく知りたい気持ちはあったが、デュラスの本を熱愛した時期が終わっていたこともあってためらいがあった。先日ようやくビデオで「デュラス 愛の最終章」を見て気持ちが落ち着いた。ヤンはとても素敵な人だった。そしたらヤンが書いた本「デュラス、あなたは僕を(本当に)愛していたのですか。」を無性に読みたくなった。この本については先に書いてしまった(8月18日)が、映画のことは涼しくなってから書こうとおいてあった。
「デュラス 愛の最終章」(2001)は、監督ジョゼ・ダヤン、製作総指揮クリスティーヌ・ゴズラン、脚本ジョゼ・ダヤン/ジル・トーラン、撮影カロリーヌ・シャンプティエと女性の名前が多い。彼女らがジャンヌ・モローを中心にして創りあげた美しい映画である。
ジャンヌ・モローはデュラスになりきっていた。写真のデュラスの顔とそっくりだが、そんな些末なことでなく、大作家の誇りと不安に充ちた生活を全身で表現していた。表情も声もデュラスだった。5年間手紙を書き続けてきたヤンに会いに来るように言ったデュラスと、やってきたヤンの出合い。外に出たとき、ちょっと電話すると言ったヤンは相手にアパートを処分してくれと伝える。そしてそのまま二人の愛の生活がはじまる。ヤンはデュラスの口述をタイプし、生活に心を配る。それでもひどいケンカがあり家出があり、でも戻っていっしょに暮らす。いっしょに飲み歌いダンスをする。そしてデュラスは作品を仕上げる。
ヤン自身もすごくいい男だが、ヤンを演じるエーメリック・ドゥマリニーもとても美声年でよかった。ジャンヌ・モローに愛され愛する存在感はたいしたものだ。カフェでヤンがデュークボックスをかけデュラスを誘い踊るときのよかったこと!

2004.9.1

写真: 「Derck Jarman's Garden」

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