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kumikoのほとんど毎日ページ
2003年10

 


コスタンツォ・コスタンティーニ「バルテュスとの対話」


ずいぶんと前からバルテュスの絵が好きなのだが、実物を見たことがないのに気がついた。兄のクロソフスキーの絵も実物は見たことがないのだけれど、小説「ロベルトは今夜」と画集を持っている。考えたらバルテュスのほうは「マリクレール」のグラビアを読んでの親近感なのである。節子夫人とのなれそめ、お嬢さんのハルミさんのことなど雑多な知識はここから得たものだ。1年くらい前には「家庭画報」でバルテュス亡き後の節子夫人とハルミさんの生活ぶりを見た。立派な木造の邸宅(元ホテル)のさまざまな部屋での着物姿や、庭での乗馬服姿、そしてヴェネチアでのパーティのときの正装姿はそりゃたいしたもんだ。美容院で見たので、次に行ったときはそれと指定してまた見せてもらった。
そんなもんで絵が好きというのと下世話な興味があるのとで、この本を図書館で見つけたときはうれしくて、延長手続きをして長いこと借りていた。そろそろ返さなくっちゃ。
筆者はイタリアの老練なジャーナリストで、各方面に面識があり、さまざまなことに知識があり、質問が多岐にわたっている。そして挑発するような質問もして話をうまく引き出している。
カミュが好きでシュールリアリストとサルトル・ボーヴォワールが嫌いなのがわかった。フェリーニ、ヴィスコンティ、フランシス・ベーコンとの交流も興味深かった。そして1962年、文化大臣アンドレ・マルローの要請によって日本に来ることになり節子夫人と知り合ったそうだ。

2003.10.30


レジナルド・ヒル「四月の屍衣」


レジナルド・ヒルの最新作を買おうと思ったらすごく分厚いので日和ってしまった。いつか読書時間をとれるときに買おう。ということはイアン・ランキンだったらもっと厚いのを即買うから、好きの度合いがちょっと少ないということみたいだ。
わたしはダルジール警視ってけっこう好きだけど、それ以上にパスコー警部とエリーの夫妻が好きである。いままで読んだところではエリーが作家として成功したところで終わっていた。その後どうなったろう。やっぱり次作を読まなきゃいけないな。
「四月の屍衣」(1975)はパスコーとエリーの結婚式からはじまる。ダルジールは式に出てから休暇をとって近くのホテルに泊まることにしていたが、途中で車が動かなくなって、通りがかったレークハウスの関係者に連れられ屋敷に行き、女主人ボニーの勧めで車の修理がすむまで泊まることになる。その屋敷はボニーの夫が事故死してその日は葬式だった。夫の寝室をあてがわれたダルジールは滞在してボニーと懇ろになる。一家は屋敷を中世風料理店にしようと工事中だった。殺人、子どもの家出などいろいろとあったあと、料理店は開店大宴会にこぎつける。エリーの親から招かれたパスコー夫妻がそこで見つけたのは、中世風の緑色のガウンを身につけて働いているダルジールだった。
パスコー夫妻が結婚式と最後の大宴会しか出てこないのがちょっと淋しい。まだ読んでなかった二人の出会いのところを読みたくなって「秘められた感情」をアマゾンに注文してしまった。明日着くらしいので楽しみだ。

2003.10.29


マッキントッシュ


このページを読んでときどきメールをくださるS・Cさんから、文字打ちはブラインドタッチですかと質問があった。返信する前にこっちに書いちゃいます。わたしはちゃんとタッチタイピングしてます。だって1987年11月13日にパソコンを買ってから16年になるんだもん。そのくらいのことはお茶の子サイサイでできるさ。そしてわたしのパソコンはアップル社のマッキントッシュ。マックプラスに一目惚れして買ったのが最初で、それから何台買ったことだろう。そのときはこんな時代になるとは夢にも思わなかった。
話は変わりまして、先週の土曜日、テレビの海外ドラマ「ホワイトハウス」で、ホワイトハウスのパソコンの修理かなんかで技術者が呼ばれた。そのアフリカ系の技術者の名前がマッキントッシュ。このドラマではスタッフが仕事をするときは、リンゴマークのノートパソコンが使われている。そしてずばりマッキントッシュという人が登場したのがおかしいが、彼と大統領の秘書チャーリーの会話がよかった。アフリカ系のチャーリーが大統領の娘とつきあっているのを嫌った人種差別主義者が銃撃して、スタッフが大怪我をする大事件が起こった。チャーリーは自分のせいで事件が起きたことを悔やんでいる。そこでパソコンを修理しながらの会話でマッキントッシュは言う。あれぇ、なんて言ったっけ?思い出せない。要するに自分の信じることを貫けみたいなことね。そしてチャーリーは堂々と恋人に会いに行く。

2003.10.28


さぁ、明日から本を読むぞ


昨日・今日とタイガースの野球はどうもいけませんでしたね。シーズン中の攻撃力が全然ありませんでした。今日の1回目なんか、たたみかけるように取らなきゃいけない点が取れなくて、逆にホークスのほうはきちんと取ってましたもんね。
今年の野球シーズンが終わったと思うとほんとにほっとしています。明日からたくさん本を読める。野球を見ながらコマーシャルの合間に本を読むこともしないですみます。まとめて読めないので軽い本が多かったけど、これからはすこーし重い本も読めると思うとうれしいです。
今朝のバスでわたしの前に座っていた大阪のおばちゃん2人が、ずーっと阪神の話をしてました。ダンナといっしょにテレビを見ていて、負けてくるとダンナのキゲンが悪くなるので、最近は先に自分のほうがキゲンが悪くなることにしたとか。昨日はヒデキ(伊良部投手のことらしい)を出したのが間違いだったとか。2人の家庭ともに、点を入れられたあとは他の番組を見ては、ときどき野球に切り換えたらしい。もしかして見てないうちに逆転してるかもしれんと思たけどあかなんだだって。きっと今日は水戸黄門の視聴率があがったことでしょう。

2003.10.27


心斎橋散歩


心斎橋にディズニーショップができてたいへんな人出だとテレビのニュースでや新聞で報道されていた。それとだいぶ前だけど大丸の近くにアフタヌーンティがお店を出したらしい。最近は心斎橋へ出てもロフトから南へ行ってなかったので、今日は心斎橋筋を南へ歩こうとバスに乗って出かけた。長堀橋通りは四つ橋筋を越えると車がいっぱいでバスがなかなか動かない。
心斎橋周辺は御堂筋も心斎橋筋もすごい人出である。大丸に近い心斎橋筋は宝石店やブティックがおしゃれな店を開いている。アフタヌーンティも広々としてきれいだ。混んでいるので外から見ただけで通り過ぎた。また今度平日に来よう。周防町通りを越えるとすぐ左側にディズニーショップがある。45分待ちとプラカードを持った人が店の前に立っている。そこを過ぎるとがらりと変わって、マツモトキヨシとコクミン薬局が向かいあって安売り競争をしている。他の店も似たり寄ったりである。大丸がこうなるのを心配して、店の周りを確保しておしゃれなショップを勧誘していると新聞に出ていたが、なるほどとうなづけた。
御堂筋へ出てエディバウアーに寄ってからアメリカ村に出て歩いて帰った。道々本屋2店に立ち寄ったが目指す本がなくてがっかり。
欲しい本は今朝の新聞で知ったカレル・チャペックの「ふしぎ猫 プドレンカ」である。また本屋を探すのもしんどいのでアマゾンで注文してみた。初体験である。1500円以上は送料が無料というので、もう1冊レジナルド・ヒルの文庫本を合わせて頼んだ。わたしは手にとって買うのが好きだが、本屋にないのだからしかたがない。

2003.10.26


朝のじゃがいも料理


土曜の朝の散歩帰りにTakeuchiでフランスパンを買うのが習慣になってきた。焼きたてのフランスパンは格別おいしい。今週届いたじゃがいもを昨日カレーに入れたらすごくおいしかったので、今朝もじゃがいもを食べよう。
じゃがいもを1センチ角の棒に切って茹で、別にベーコンをカリカリに炒めておき、玉葱の細切りと全部混ぜて軽く炒めた。これは「中原淳一の幸せな食卓」に出ていた「ブレーメン風じゃがいもサラダ」のバリエーション、というよりは一度つくって覚えたつもりで、再度つくったらこうなってしまったもの。これがなかなかうまい。
朝ごはんにじゃがいもを食べることが多い。いちばんよくつくるのは、昔「ポテト料理の本」という本に「ニューイングランド風」と説明してあったもの。じゃがいもを薄切りしてそのまま炒める。玉葱やキノコを入れたり、グリンピースを入れたり、ハム・ベーコン・ソーセージなどあるものを少し入れる。気分で最後を卵でとじるときもある。

2003.10.25


今日も野球ですみません


野球のことだけでなくて、いろんなことを考えたり本を読んだりはしているんですよ。でも夕方になると野球があるんで、早めにご飯をつくるでしょ。そいでもってご飯を食べながらテレビを見る。仕事は野球の後ね。
ご飯といってもまず焼酎を湯割りにして飲むところからはじまるわけ。わたしはたいして飲まへんのやけど、相方が飲むので合わせておかずを食べる。今日はトリの胸肉をフライパンの弱火にかけたのを細切りし、玉葱・キャベツ・ピーマン・レタスのサラダに入れた。マヨネーズとレモンとカイエンペッパーで味付け。そして特製チキンカレーライス。今日の午後いっぱいかけて煮込んだ野菜いっぱいの超うまカレー。
1回裏に金本のホームランで1点先取。2回の表にすぐ2点返されて…、ため息と罵声と拍手がご飯の合間にはさまれる。5回くらいでご飯が終わり、焙じ番茶を飲みながら見続ける。6回裏、今岡赤星がヒット金本が4ボールで満塁となり桧山が打って2点とって3対2。でも8回裏にはノーアウトで2・3塁になったのにそのまま。沖原と川崎が激突して川崎が起きあがれない。担架で運ばれた川崎選手、大事に至らないことを祈ってます。
9回表、ウィリアムスが抑えるか、気が気でなくて立ち上がって歯を磨いてきた。もどったら2人抑えていて「あと1人コール」そして「あと1球コール」に変わって勝ちました。
すぐ掲示板に「勝った、勝った、また勝った」と書いたけど、感激して言葉が浮かばないんですよ。こんなこと、わたしが生きているうちにもう一度あると思えないので、昨日・今日と続いて野球の話題ですみません。

2003.10.24


今日はやっぱり阪神のサヨナラ勝ちだ


来年はもうこんなに野球に身を入れたくないと思うほどに、今年はたいへんな1年を送りつつある。例年6月頃にはプロ野球から身を引いている。オールスターも日本シリーズもたいして関心を持てない。ところが今年はずーっと野球である。時間がないと言いながら試合があるとテレビをつけてしまう。18年前の元気はさっぱりなくて、甲子園に駆けつけることもなくなったが、阪神魂は不変である。
福岡ドームでの2敗でタイガースの選手はみんなオッサンに見え、ホークスの選手がオトコマエに見えたが、昨日、今日は、しびれる試合を見せてもらってまた惚れ直した。(でもホークスの投手ってなんであんなに可愛い子が多いんだろ?)
さぁ、明日が楽しみだ! 日本シリーズが終わったらゆっくり本が読める。

2003.10.23


8年前のGパン


先日思い立って引き出しの隅っこに8年前から入れたままのGパンを引っ張り出してはいてみた。なんとはいるではありませんか。けっこうな値段で買ったストレートのGパンで、まだそんなにはいてないのに、ウエストがはまらなくなってしまったのだった。捨てるにしのびず置いてあったのだが、ついに日の目を見る日がやってきた。今日はそれをはいてプールに行ってまいりやした。〜〜どんどんどんがらがっちゃ、石松さまのお通りだ〜〜とふるーいマンガの主題歌を歌いながら公園を歩いた(笑)。
8年前の春にはけたのに、その夏からどどっと太って、高値安定のまま数年経った。それがプールに行き始めて3ヵ月くらいで2キロ減った。それから2年ほどはそのままできたが、先月ついに1キロ落ちた。それとぶよぶよしていたところが少し締まってきたように思う。
ものすごく食べるのが好きで、甘いものが好きなんだけど、夜の8時以降は食べない、量を減らすなど、少しだけ規律を作って守るようにしているのがよかったみたいだ。ときどきは破るけどね。まだまだガンバル。

2003.10.22


はじめはバタバタ、後はゆっくり


朝起きたらインターネットがつながらない。電気やガスや水道と同じようにわが家ではネットは基本的な必需品である。ケーブルテレビの光ファイバーに加入しているので、ケーブル会社に電話したんだけど、お待ちくださいの音声があって音楽がかかるだけで人間が出てこない。きっと苦情が殺到してるんやでと勝手に決めてご飯を食べたが、まだ電話がかからないので、バックアップのISDNに切り換えた。朝のメールチェックをして、関係サイトを一巡してほっとした。
午後になって電話に人が出てくれたので聞くと、ケーブル会社はなんの支障もないそうで、こちらのルーターを再起動したら直るはずとのことで、やってみたら直った。なーんや、やれやれである。こんなことってあるんやなぁ。
夕方から地下鉄で千里へ行き、1年ぶりの兄夫婦に、駅前の高層ビルにある中国料理店でご馳走になった。美味しい紹興酒と料理で、なんということのない雑談が楽しかった。落ち着いてたくさん食べました。まんぞく、まんぞく。

2003.10.21


マイケル・ボンド「パンプルムース家の犬」


本書は「くまのパディントン」で知られているマイケル・ボンドのミステリーシリーズ3作目である。4作目「パンプルムース氏のダイエット」、2作目「パンプルムース秘密料理」が図書館に行くたびに1冊ずつあったので借りて読み、今回もまた1冊あったので借りてきた。なぜか勘違いして、シリーズ第1作と掲示板のほうに書いたのは間違いで3作目です。
全体の仕組みがわかってきたら、話は単純だから雰囲気を楽しむ本である。パリ警視庁の元刑事パンプルムース氏はいまグルメガイドの覆面調査員として働いている。相棒のポムフリットはブラッドハウンドの元警察犬で頭が抜群によい。
今回はスイスの国境近い町の超一流レストランで、アラブの石油王という大切な客を迎えるときに、天才料理人が行方不明になる。彼のスフレ・シュルプリーズがなければたいへんということで、政府の重要人物までが乗り出してくる。そしてパンプルムース氏が調査を依頼される。
このレストランで食事ができるのは余裕のある老人が多いので、素晴らしい食事も残り物が多い。ブタのエサにするためにバケツに入れられた料理をポムフリットは食べてしまう。そのバケツの中の料理名が延々とあげられているのがおもしろい。そして食べ過ぎたポムフリットは動けなくなってパンプルムース氏を心配させる。
話がどんどん進んでいくし、ご馳走が好きな人には高級フランス料理がたっぷり、高級ワインの蘊蓄を読むのもよし。そしてなぜかパンプルムース氏は女性にもてるのである。

2003.10.20


小さな袋を下げて


よい天気なので先日チャルカで買った袋をさげて歩こうと思い散歩に出かけることにした。プールで歩くだけでなく、普通の道の散歩もかなりできるようになった。遠出はできないが、同じ西区内でじゅうぶん楽しめる。
袋はそれぞれがくすんだ色(ブルー、ローズ、紺、紫)で、モンドリアン風だとわたしは思って気にいっている。財布とハンカチとケータイとメガネを入れるとちょうどになった。巾着型でなくしっかりと皮の紐がついているので、街歩きに持ち歩いてもおかしくない。
うつぼ公園に行ったらバラ園の周辺が工事中で、公園の半分くらいが囲ってあるので、外に出て京町堀通りを歩いた。カフェが何軒かある。公園の出入り口近くにある新しいカフェに入って、公園の木々が見えるテラスで、モンドリアン風の袋をテーブルにちょこんと置いてコーヒーを飲んだ。
西区はもう少し北の江戸堀まである。北区や中央区よりも発展が遅れてきたぶん、いま新しく開けようとしている感じだ。新町、堀江もどんどん変わっている最中である。キタやミナミのような大がかりな開発でなく、いまの街になにかが加わっていくのがいいと思う。そしてもっと西へ行くと大阪ドームがあり、まだ下町の面影を残す九条がある。木津川があって橋がたくさんかかっており、散歩コースはまだまだたくさんある。

2003.10.19


津軽海峡冬景色を見た日


はじめて北海道へ行ったのは30年ほど前の11月の末だった。大阪駅を7時頃に出る青森行き寝台特急(急行だったか?)「日本海」に乗った。一眠りすると朝で、新潟あたりだったろうか、日本海に沿って列車は走っていた。うん、この景色はよかった。青森に近づくとみぞれだった。すごーく淋しい風景のところを走っていた。青森から青函連絡船に乗った。地図でいうと青森県のいちばんへこんだところから、北海道のへこんだところまで4時間で渡る。連絡船はとても大きな船だった。船酔いもせずに着いた函館は雪がちらついていて寒かった。函館から列車で夜遅く小樽に着いた。旅をしたーという気持ちになった。
帰りは小樽を夜発って、夜中に函館に着き、真夜中過ぎの連絡船で青森に早朝5時頃着いた。青森発大阪行きの急行「白鳥」に乗ったのだが、乗るのが大変だった。指定席はなかったのだろうか、みんな船が着いたとたんに走るのである。プラットフォームまでけっこうあった。朝・昼・晩のご飯を食堂車で食べて、大阪駅へ着いたのは夜の8時だったが、こんなに長いこと列車に乗ったのははじめてである。
そのころのわたしと相棒はまだできたての間柄だったので、実は津軽海峡冬景色の気分とはすごーく遠かったのでした(笑)。青函連絡船にはその後帰り道だけ一度乗ったことがあるが、荒れ気味の天候でよく揺れてまいった。

2003.10.18


ホッケの干物


北海道の食べ物が大阪の日常生活に入ってきたのは北海道物産展やスキーなんかのせいだろうか。この20年くらいの間になんでも百貨店地下売り場やスーパーで売っているようになった。いまはカボチャがおいしい。ずっしりと重いのを買うとうれしくなる。そして干物がおいしい。好物のタラの白子は高価になって何年も食べていないけど。
わたしが北海道旅行をしたのは30〜20数年前までの数回である。小樽から積丹半島へ、網走から知床半島へ、札幌から函館へ、登別のカルルス温泉へも行った。小樽で2週間過ごしたことがある。どこでも食べるものがおいしかった。牧場の側を通って濃い牛乳を飲んだし、花咲ガニも毛ガニもホッキ貝も食べた。そして、そういうものだけではなく干物がおいしかった。北海道出身の知り合いに、ホッケが好きだと言って、「あんなものを・・・」といかにも下賤な人みたいに言われたことがあるが、そのころは誰でも魚より肉を食べる生活に移っていたからだろう。
今日のメニューは、ホッケを焼いて、カブ酢(カブを薄く切って塩をして水を出し酢をかける)、チンゲンサイのレモンマヨネーズ(チンゲンサイを茹でて、レモンとマヨネーズと辛子と醤油を合わせたものをかける)、カボチャの炊いたん、みそ汁(ナメコ)、黒ゴマ、ご飯でした。お酒は焼酎の湯割り。干物と葉っぱと根っこと実そしてキノコを食べて上機嫌。

2003.10.17


山本やよいさん訳 クレイグ・ライス「マローン御難」


少し前に山本さんから本書を訳したとお聞きしたので期待して待っていた。クレイグ・ライスの本は翻訳されたものは全部持っている。だが「大はずれ殺人事件」「大あたり殺人事件」「幸運な死体」は何度も読んでいるから、ストーリーや情景は思い出せるのに、この本は全然内容を思い出せない。押入のミステリ本の箱を調べようと思ったけれど、新訳がもう少しで読めるのだからやめた。
そんなわけでハラハラドキドキで読みだしたのだけれど、それはもうおもしろうございました。以前はヘレンとジェイクがなかなか出てこないから、地味っぽいと思っていたのかもしれない。でも今回読んでやっぱり早く二人に出てきてほしかったけれど、マローン一人であれやこれやするのも、とてもおもしろかったのだ。
そして、ブロンド美人がたくさん出てきて、それぞれに胸をぽっと燃やすマローンの純情ぶりが楽しい。誘拐された少女のつっぱりようのおかしいこと! 言葉遣いに呆れてヘレンがつい「どこでそんな言葉覚えたのよ」みたいなことを言いかけて、ヘレン自身が金持ちの娘として育ち、どこで悪い言葉を覚えたかを思い出すのもいい。また、三度金持ちと結婚して三度とも夫と死別した母の娘、自分で“継子のプロ”だというリリーもいい。上流階級の娘であることもそれぞれたいへんなのである。
常連のフォン・フラナガン、天使のジョー、秘書のマギー、みんななつかしいクレイグ・ライスの世界である。ああ、ジンとチェイサーのビールをくれと天使のジョーのバーで言ってみたい(たいして飲めないわたしだが、この本を読むと言いたくなる)。
山本やよいさんの訳は粋でおしゃれで小泉喜美子さんを思い起こさせる。ライスと小泉さん、二人の生き方はとてもしんどいものであったけれど、粋でおしゃれで読む人を楽しくする本をたくさん残してくれた。山本さんに「スイート・ホーム殺人事件」を改めて訳してほしいです。

2003.10.16


ワラジを履いて都を歩く


夢を見ても覚えていないことが多いが、今朝の夢はちゃんと覚えていた。なんと阪神の赤星選手としゃべっていたのである。いろいろと話したんだけど、覚えているのはトレーニングの話で、赤星選手は週に一度はワラジを履いて走っていると言うのである。「ふーん、ワラジって、後から紐を前にまわして履くんやね」とわたしはいかにもワラジを知っているふうなしゃべりかただ。なんちゅう夢やろね。
これまでに一度だけワラジを履いたことがある。登山をしていたころ、比良山を谷から登ることになった。男性3人と女性はわたし1人だったが、登山計画を立てたとき、沢歩きならワラジだと誰かが言ったものだから、うれしがりのわたしはすぐにワラジを買いにいった。売ってたんですよ、山岳用品店に。さて履きかたである。メンバーの1人が映画で研究してきて教えてくれた。時代劇を何度も見て覚えたんだって。長い紐がついているほうが後で、前にまわしてしばるんだった。足袋を履いてワラジをくくりつけるように履いて歩くと、岩の上もすべらないし歩きやすかった。ただし、夏だからできたことだ。足がびしょぬれだもん。ワラジを履いたのはわたしと映画で研究した子と2人だけだったけどね。
帰りは途中峠(とちゅうとうげという名称の峠)を越えるバスで京都まで帰ったんだけど、男性のほうは靴に履き替えた。そんなんつまらんやん、わたしは履いたままで家まで帰るつもりだった。三条の駅前でじろじろ見られて快感だったが、これ以上ワラジのままだとビアホールに連れていかないと言われて脱ぎました。短いワラジであった。

2003.10.15


雨の中をややっこしいこっちゃ


今日は自分のせいだとはいえ散々な目にあった。プリンターのインクはいつも早めに予備を買っているんだけど、今回は消耗が早くて気がついたら休日の間になくなっていた。あわてて昨日アスクルに注文したんだけど、届くのは今日の午後である。どうしてもお昼過ぎにはプリントしなくてはならない仕事がある。買いにいかなけらばならないが、LEXMARKのカラーインクが近所で売っているのか心配だ。まず近所の事務機器店アンエーになし。本町通りの24時間営業の店になし。西本町のなんとかいう東京から進出してきた店を思いだして行ったら…お店がない! 御堂筋へ出て、本町と淀屋橋の中間にあるパソコンの店アルファに行ったら、ここもなくなっていた! なんでもある大きな店だったのに…。
プリンターのインクごときを求めてなにをしているんじゃと我ながら情けない。せっぱ詰まって梅田へ出て、一度探検に行ったヨドバシカメラに行ってようやく手に入れ、仕事に間に合わせたけど、消耗品は早めに買っておくべしと改めて反省した。
それにしても、閉店した店が多いのに呆れた。ヨドバシとアスクルのせいで成り立たなくなったところが多いんだろうな。うちだって今日みたいなことがなきゃアスクル専門だもんな。
それで思いだしたんだけど、先月NTTに用事があって近くのNTT局へ行ったら、1階の窓口がなくなっていて、ここは閉めて心斎橋の局に合併したという張り紙があった。ものすごいスピードで世の中が変わっていく。

2003.10.14


マイケル・ボンド「パンプルムース氏の秘密任務」


図書館に先日借りた「パンプルムース氏のダイエット」を返しに行ったら、また1冊見つかった。シリーズ2冊目である。1冊目を読みたいがこれを返しに行ったときにあったらいいな…。1冊くらいは買うとするか。
2冊目を読んで、だいぶんにこのシリーズの“決まり”なんかがわかってきた。フランスにおけるグルメ・ガイドブック「ル・ギード」の位置がわかって、編集長がパンプルムース氏に上司として仕事を命令するのもわかった。犬のポムフリットは可愛いだけの犬でなく、その頭脳にはコンピュータが入っているというほどの賢い元警察犬なのである。パンプルムース氏にはドゥセットという奥さんがいて、出張すると絵はがきを出すことにしている。愛車はシトロエン2CV(この車はフランス映画でよく見る。「ディーバ」でも2CVが活躍していた)。
そしてお話はどんどん転がっていく。考えて前に進むのではなく、進みながら考えるのである。それよか進んだ後で考えることのほうが多いみたいだ。
この本もあれよあれよと話が進んでいく。編集長の義理の叔母さんが経営するロワール地方のホテル・レストランを秘密に調査することになるのだが、なにか口に入れたもののせいでポムフリットが精力絶倫になってしまうのだ。少し呆れて笑って読んだ。

2003.10.13


格闘技が好き


昨日行われた女子レスリングW杯第1日で、72キロ級の浜口京子がカナダの選手に判定で負けた。浜口選手のお父さんはプロレスで活躍していたアニマル浜口である。今大会の団長を務めている。「京子、一瞬のスキが逆転を許すんだ」と一喝した、とスポーツ新聞に出ていた。20数年前にわたしはアニマル浜口のファンだった。建て替え前の大阪体育館へよく見に行ったものだ。コンクリートの階段みたいな観客席に座って見ていた。
わたしは運動はからきしダメで、泳げないしテニスもピンポンもしたことがない。しかし見るのは大好きで、野球もサッカーもプロのを見るのが好きである。特に格闘技が好きだが、最近の相撲は格闘技という感じが薄れて興味がなくなっている。なんといってもいまはK-1に血が沸く。でも昔の元気がないのでテレビ観戦である。
昨夜は注目のボブ・サップがどう勝つかと期待して待っていた。その前に新鋭イグナショフ(25歳)が34歳のベルナルドに勝った。イグナショフはスピードがあって力があって申し分なく勝ってかっこよかった。さて、ボブ・サップはあきません。相手のボンヤスキーはたしか銀行員だったと紹介されていた。スーツ姿がかっこいい映像もあった。一目見ただけで、勝たしたいと思うようないい男だ(すぐヒイキが変わるところが我ながらエエカゲン)。ハイキックが巧くてボブ・サップは立ち往生する場面が多々あった。2回にサップが倒したのだが、倒れたボンヤスキーの頭部にパンチを振り下ろして反則負けとなってしまった。でも、続けていてもボンヤスキーのほうが勝っただろう。K-1もに世代交代の波が押し寄せているという感じであった。

2003.10.12


チャルカでおいしいランチ


気持ちのよい季節のせいか、このところ近所ばかりではあるがよく出歩いている。一昨年の今ごろはVFCの10周年パーティをしたのだが、まだ痛めた足が回復していなくて、なにをするにも一苦労だった。そのときのことを思うといまは水中歩行の甲斐あってか、ずいぶんとラクになっている。でもって、外に出て歩きたくなるんだよね。お小遣いを使ってしまうけど…。まあ、わたしが使う金額は知れているが…。
昨日は南堀江に最近出来たスーパーに行った帰りに、ガレージフラワーというカフェでエスプレッソコーヒーを飲んできた。お店にあった焼き菓子のチョコレートケーキとクッキーがおいしそうなので買って帰った。これはまだ食べていない。明日の楽しみ。
今日は土曜日だからお昼は外で食べようと、午後から散歩に出かけた。近所の画廊で仲田まりこさんが個展をしているので、ちょっと寄ったのだが、まりこさんが留守でつまんない。作品(元気な女の子や犬の絵と立体)を見て、絵はがきとバッジを買った。
ぶらぶらと今日は北堀江に出て、ちょっと来ない間にできたお店などを見ながら歩いた。おっしゃれな美容院が増えてるけど、みんなやっていけるんだろうか。カフェも増えている。チャルカで休日メニューのランチを食べた。ピタパンを半分に切って、片方はラタトウユが詰まっており、一方は豆のコロッケと生野菜が詰まっている。野菜のピクルスがついて850円、飲み物を頼むと+300円だった。量がたっぷりで満腹。
食べているうちから向こうの雑貨部門の壁にかかった袋が気になってしかたがない。食べ終わってさっそく見に行って買った。ローズピンク、ワイン、グレーととてもシックな配色の小さな(30センチ×20センチ)袋である。どんなふうに持つか考えなくっちゃ。

2003.10.11


梅村 浄「こどものことばは暮らしから生まれる─ことばの遅いこどもの育ち」


著者の梅村 浄(うめむらきよら)さんは、西東京市で梅村こども診療所を開業しているお医者さまです。診療所では小児科などの診療の他に「ことばの相談室」で言語障害の子どもをみています。また日本福祉教育専門学校 言語聴覚療法学科の小児学科で教えられています。そして、わがVFCの会員でもあります。(梅村さんの二度のシカゴ旅行の記録が、当サイトのシカゴページにあります。)
白い瀟洒な美しい本で開くのがとても楽しいのです。わたしはこの本の内容を発表された時点で、ほとんど読ませていただいているのだけれど、こうして美しい本で再び読んだら、また新しい感動にひたってしまいました。
内容は三つに別れていて、(1)は〈こどもと「ことば」〉
こどもがことばを自分のものにしていく過程が語られています。「げんごろう」と名付けられた、こどもの成長を毎月ビデオ撮影する活動の話。ことばの遅いこどもについてのこと。そして「ことばの遅いこどもを育てる」は梅村さんの長女涼さんのことば体験を、保育園との連絡日誌を中心に語っています。(この日記は梅村こども診療所サイトで読めます。当サイトリンクページからいけます。)
(2)は〈お母さんへの花だより〉
雑誌「こどものとも」に2000年4月から1年間連載された、毎月の季節の花をからめた子育てに関連するエッセイです。梅村さんの子どもたちの話のほか、赤ちゃんの誕生、おじいちゃんの死、自閉症やダウン症などの子など、さまざまな子どもたちのことが話されています。
(3)は〈ことばに秘められたこと〉
梅村さんのお父さんのこと、外国の旅で経験したことなど、ことばにからんだエッセイが集められています。
繰り返し話されていることは、本の題名のとおり「こどものことばは暮らしから生まれる」ということです。小さい子どものいる人、ことばの遅いこどもを持つ人にとって、とても勇気をもらえる本だと思います。また、わたしのようにこどもがいない人が読んでも、心にぽっと灯りがともります。
この本は夏に出版されたのですが、涼しくなってからもう一度読んで感想を書こうと思い、いまになりました。秋の夜長の読書にぴったりの本です。(晶文社 1600円+税)

2003.10.10


びっくりしたー


昨日のプールは空いていてほとんど1レーンが貸切状態だった。いい気持ちで歩いていたら、隣のレーンで泳いでいる人から声をかけられた。「ずっと歩いていて退屈ちゃう?」プールに行きだしたころはよく聞かれたが、最近ではめずらしい質問だ。うん、あまり見かけない人だ。「別にー、考え事したりしてるしー」と答えたら、「お金を貯める方法とか?」だって。「お金たくさんあるから使い道考えてるねん」と答えたが、びっくりしたなー、もう。わたしにお金に関する質問とは、世の中にはいろんな人がいるもんだ。
そこへ色違いだけどわたしと同じナイキの水着の女の子がやってきた。うんと若い、20代かな。だいぶ前から気がついていたんだけど、とても背が高くて細長い体格だから同じ水着を着ているとは到底思えない。多分気がついている人はいないんじゃないかな。はっはは・・・謙遜です。彼女は泳ぎと歩き両方を30分ずつ真剣にしている。すれちがったとき声をかけてみた。「水着いっしょやね」「私も気がついてました」「ほっそりとチビデブだからずいぶん違って見えるけど」「ぜんせんそんなことないっすよ」と友好的な会話であった。

2003.10.9


ダイアン・デヴィットソン「クッキング・ママの供述書」


クッキング・ママシリーズの11作目。いつも同じ場所で同じ登場人物だし、同じような殺人事件なのに、飽きずに読ませるのだからたいしたものだ。
突然、ゴルディの住む土地の近くに大金持ちが邸宅を建てまくり、超高級車を買いまくり、そのお陰で物価が倍になるという状態になった。そしてそのお陰でケータリングを頼んでおしゃれなパーティを開く家が増え、ゴルディのケータリング業は“至福の境地”の大繁盛で、これだけ稼げば息子をロースクールにだってやれると大喜びである。ゴルディは夫のトムを愛しているが、経済的にトムの世話になりたくないと思っているので、しっかり稼ごうとフル回転している。
その反面、息子のアーチは金持ちの息子たちとのつき合いで、高価なものを欲しがるわ、反抗するわ、背中にタトゥを入れるわ、親子の間は波風が立ちっぱなしである。
ショッピング・モールの支配人バリーはゴルディの大学時代の友人で、いっしょにコーヒーを飲みに行っていた間柄であった。その縁でショッピング・モールのパーティにケータリングを頼まれるが、その日にバリーが殺される。殺人容疑で逮捕されたのはゴルディの助手のジュリアンだった。そんなアホなことはあれへんと、ゴルディはアーチの誕生日までにジュリアンを取り戻そうと必死の捜査をはじめる。
いやもう、よくキレないなと思うくらいに、料理をつくるわ、人の話を聞きまくるわ、バリーの家に忍び込むわと大活躍である。そしてなんやかや言いながらコーヒーを飲む。チョコレートを食べる。
トムがいようといまいと事件に突っ込んでいくゴルディは変わらない。ただ、闘い終わって日が暮れて、家に戻るとトムがいてご飯をつくってくれる。暖かいふとんにくるまってできあがりを待つ喜び。よかったね、ゴルディ。

2003.10.8


夏がほんとにおしまい


前の冬が終わって羽毛布団をしまうとき、虫除け用にラベンダーの小袋を入れておいたのが、開いたらほのかな香りが布団全体から漂っている。アリソン・アトリー「時の旅人」のおかげだ。この本は物語もよいのだが、ラベンダーの使い方の勉強になる。
先日から出かけるときは木犀があるところを選んで歩いていたが、今日は図書館を出てから、土佐稲荷の向こう側にあるパン屋に寄って、水道局の広い建物に沿って帰った。ここの塀ぞいに直径2メートルくらいにこんもりした木犀の木が10数本ある。香りにひたりながら歩いた。
今日、最後の朝顔が咲いた。最後まであでやかな赤紫の大輪の花を咲かせてくれた。最近は日当たりが弱いせいか、朝だけでなく1日中開いているのがうれしいやら、なんとなく悲しくもありである。今日もテーブルの上に置いたら夜まで開いていた。お疲れさま。
バジルも終わりである。明日の朝トマトサラダをするつもりで最後の葉っぱを取った。花の咲いている先っちょは小さなコップに活けた。さあ、これで少し残っていた夏がほんとにおしまいである。

2003.10.7


舞台で倒れた竹本春子太夫


今朝の新聞に「ドミンゴさん 声出ずオペラ降板」という記事があった。世界3大テノールの1人、ドミンゴがウィーン国立歌劇場での公演中、舞台上で声が出なくなり、公演を中断したという。30分後に戻って最後まで続けたが、4日後の公演は中止だとか。声が出なくなったのは「気管支炎のため」とのこと。
わたしは一度だけ舞台人が倒れるのを目の前で見たことがある。ずいぶん昔の、道頓堀の朝日座で文楽が公演していたころのことである。演目も忘れてしまったが、ひとりで出かけたのだからよっぽど見たかった演目だったのだろう。
張りのある声で語っていた竹本春子太夫の声が突然低くなり、そのまま崩れるように倒れた。幕が下ろされ、マイクが「お医者様はおられませんか」と観客席に向かって聞いている。芝居はもう最後のほうで、体調が悪くなったのに頑張って続け、最後まで持ちこたえられなくて倒れたという印象だった。そのうちに外のほうに救急車の音が聞こえたような気がしたが、どうだったか。春子太夫はそれから数日後に亡くなられたように思う。

2003.10.6


ダグウッドサンド


ときどきお昼ご飯に食べたいものが続くときがある。毎日ではなく3日ぐらい空けてまた食べるのだが、そうこうするうちに突然飽きてしまう。よく食べて飽きたものに焼きそばがある。あんなに食べていたのに、もう1年くらい食べていない。ちょっとおかしいかな。
最近よく食べるのがダグウッドサンドである。知らない人が多いと思うので解説すると、ダグウッドというのは第2次大戦後に朝日新聞に連載されていた、アメリカから輸入の4コマ漫画「ブロンデイ」の登場人物の名前である。ダグウッドがダンナさん、ブロンデイは奥さんで、男女2人の子供と共に郊外の一軒家に暮らしている。その幸せな家族の生活の様子が評判になっていたらしい。わが家でも父母兄姉が揃って愛読してアメリカに憧れていたそうである。占領政策の一環やったのかな。
さて、ダグウッドサンドとは、ダグウッドが作る分厚いサンドイッチのことである。妻が留守で自分でご飯をつくるハメになったときとか、夜中にお腹が減ったときとかに作っていたんだろうか。当時はあれを食べたいものだとたくさんの人が思っていたそうである。
わたしはお昼ご飯をつくるのが面倒なとき、トーストを焼いてカラシマヨネーズをたっぷり塗り、ハムと野菜をたくさんはさんで分厚いサンドイッチをつくる。ダグウッドと違って、1人で全部は食べられません。それを7分3分に切りわけて、わたしが3分のほうを食べる。はさんだハムや野菜がはみだしてこぼれるのを、大口開けてわいわい言いながら食べるとにぎやかでいい。でも、こんなに再々食べていると飽きてくるかも。

2003.10.5


「ピクニック at ハンギング・ロック」を思いだした午後


うつぼ公園に朝(ほとんど昼前だけど)の散歩に行って、帰りに公園横にあるおいしいパン屋Takeuchiで朝食用フランスパンを買った。フランスパンを抱えて街を歩くと気分はパリジェンヌ。
洗濯やら家事をすませて、あんまり天気が良いので午後も散歩に出た。毎日家でお昼ご飯を食べているので、今日は外食しようと南堀江のSixというはじめての店に行ってみた。お店は落ち着いた感じで、広い厨房が気持ちよく、感じの良い女主人がおり、すっかり気に入ってしまった。ランチが4時までというので、相方は秋刀魚のパスタ、わたしはチキンカレーを頼んだ。どっちもスープとコーヒーつきで800円。カレーは量が多くて野菜がいろいろ入っていてよかった。近所の人らしい普段着のカップルや家族連れで暖かい雰囲気だ。ターンテーブルが2つのった台が目立つところにある。そうか、なるほど、夜はクラブになるのか。高い天井でゆっくり動いている大きな羽根のついた扇風機もいい感じ。
壁にワインのお薦めが書いてある。オーストラリアのハンギング・ロック・ワイナリーのワインだって。へえ、ハンギング・ロックって地名なのか。いまごろなに言うてるんやと自分でもおかしいけど、ピーター・ウエアー監督のオーストラリア映画で「ピクニック at ハンギング・ロック」というのがあった、乙女映画の傑作である。何気なく映画の題名を覚えていたけど、これは地名だったんだー。
帰ってからレーザーデスクを出して調べてみた。解説によると、1900年のバレンタインデーにオーストラリア・ビクトリア州の名門女学校の生徒達が、近郊のハンギング・ロックにピクニックに行く。そこで数名の少女が忽然と姿を消した。事件の謎は80年以上経った映画制作時にはまだ解明されていないとある。夢のように美しい少女たちの映画である。
今度来たときはハンギング・ロック・ワイナリーのワインを注文しよう。帰りは雑貨店でコーヒーカップのいいのがあったので買った。歩いておいしいものを食べに行けて、気に入ったものを買う店があり幸せなことである。途中の家の前で曼珠沙華が30本も植えてある植木鉢、水引草が植えてあるプランターも見た。

2003.10.4


プールの縁


今日はお昼ごろにプールに行ったんだけど、シャワーを通って入っていったときにパッと目についたのがひまわり柄の水着だった。あれっと思ったら、向こうもこっちを気づいて飛びついてきた。1年ぶりの再会を抱き合って喜び合った。
彼女は去年の今ごろ「今日が最後かもしれない」と言って帰っていった。病気がかなり進行していて、すぐに入院するとのことだったので気になっていたのだが、名前も住所も知らないから確かめようもなかった。彼女自身が、知らない人だからこそ話せると言って、病気のこと、残していく家族のことなどを話していたのだった。わたしもその話を大切に受け入れて、他の人に言わずにいた。
彼女がまたプールに来られるようになるとは思えなかったので、今日はほんとにうれしかった。病後だからもう帰るけど、これからまたちょいちょい会えるねと今日は別れた。
その後にいつも2人組で来る人が最近1人なので声をかけてみた。なんとその人は骨折したんだって。もともとが怪我をしてリハビリにプールに来ていたのだが、プールだけではあかんと2階のトレーニング場で自転車漕ぎなんぞをしていた人である。自転車に乗っていてうまく人をよけられずに転倒して骨折したらしい。ボキンと音がしたそうな。
病気やケガで来なくなった人のウワサをしていて、いつ自分がそうなるかと不安になるのも年を重ねている者の気持ちだ。できたらそういう話は避けて、亭主の悪口でも言い合って、わははと笑っていたいという気持ちみたいだ。

2003.10.3


マイケル・ボンド「パンプルムース氏のダイエット」


岐阜県の会員から、山本やよいさんが「心に残る一冊」として、パンプルムース氏シリーズ(創元推理文庫)を紹介している記事が載っている「岐阜新聞」の切り抜きがとどいた。わたしはマイケル・ボンドもパンプルムース氏も知らなかったので、そのうち読もうと思ったままだったが、その翌日のVFC BBSにキャラウェイさんがその本のことを書いていらっしゃるのでびっくりした。これはなにかの縁だから読まなくちゃと昨日図書館に行ったら1冊あったので借りてきて、昨日・今日で読んでしまった。
先日からちょっと堅い本を読んでいるのだが、30分読むと肩が凝ってくる。その本を休んで「パンプルムース氏のダイエット」を読み出したのだが、1時間同じかっこで読んでも全然肩が凝っていないのである。肩の凝らない本とか人とかいうけれど、ほんまやね。
パンプルムース氏シリーズは「くまのパディントン」と同じ作者のものである。なるほど、本書もばかばかしいの前までいくけど上品でとまっている。イギリスの作家であるが、フランスを舞台にフランス人が主役なのである。ふと007シリーズを思い出した。イギリス人のユーモアを感じたってことかな。いつも連れだっている犬のポムフリットがまた楽しいのである。
パンプルムース氏はパリ警視庁の刑事だったが、セクハラの濡れ衣を着せられて早期退職に追い込まれ、有名なグルメ・ガイド「ル・ギード」の覆面調査員をしている。わたしの読んだ本は4冊目である。最近5冊目の翻訳が出たようだが、10冊くらい未訳があるそうだ。

2003.10.2


フィリップ・マクドナルド「Xに対する逮捕状」


例によって在庫の国書刊行会の本。字が大きく行間がゆったりしているので読むのがラクである。夜寝る前だけ読むことにして2週間かかった。1938年の作品だが、シーンがぱっぱと変わるしスピードがあって読みやすかった。
本の中で探偵が言っているのだが、普通一般の事件では、未知の要素は「誰がやったのか?」のひとつだけである。だがこの事件は違う。(a)何が行われようとしているのか? そして、(b)誰が行おうとしているのか? である。
アメリカ人の劇作家ギャレットはロンドンでの自作上演の評判がよいのでほっとして、芝居がはねた後にロンドンの街を散歩していて喫茶店に入る。うすぐらいその店で、ギャレットがいるのに気がつかない女性2人の会話がギャレットの耳に入る。なにか犯罪に関係していると確信したので、店を出た2人を追いかけるが地下鉄の乗り場ではぐれてしまう。
思いあぐねてスコットランドヤードに行くがはねつけられ、友人の探偵アントニー・ゲスリンのところへ相談に行く。ゲスリンは話を信じて、ほんの少しの手がかりをもとに調べはじめる。スコットランドヤードにも影響力を持つ実力者のゲスリンだから、警察力も使って追求をはじめるが、協力して調査を手伝うギャレットが何度か殺されそうになり、ついには重症を負う。
最後に作家自身が書いた「アントニー・ルースヴェン・ゲスリンについて」というていねいなゲスリンの紹介があって便利である。ゲスリンのシリーズをもっと読みたくなった。
そうそう、ギャレットの恋物語もあって、これがまたなかなかいいんです。ゲスリンにはとっても素敵な配偶者と子どもが1人いる。(国書刊行会 2600円+税)

2003.10.1

写真:「マローン御難」ハヤカワ文庫

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