VIC FAN CLUB
ESSAY

 

若狭だより 29

方向音痴

上村 縁

 本人はまったく自覚がなかったのですが、どうも方向音痴らしい。車を運転して新しいところへ出掛けると、必ず迷ってしまうのです。新しいところだけならまだいいのですが、旧知の場所へ行くときも、路地をひとつ間違えて、とんでもないところへ行ってしまうことだってあるのです。
 なぜか、いつも子供達と一緒の時が多いんですよねぇ。ひとりだとやっぱり気がはってるせいか、確認をきちんとするからかな? しかも私の場合、迷い出すと地図では自分の位置がわからなくなってくるので、カンを頼りに動いてしまい、本当にとんでもないところへ行ってしまってる事がたびたびです。その度に「おかあさん、ここどこ?」から始まって「やめてぇ、最初の場所へもどってよぉ。」「わからんのやったら、まがらんといてぇ」と子供達のひきつった声で締めてしまうのです。ふふふ。けど、いいわけするわけではありませんが、時間はかかっても目的地にはキチンと最後には着いてるんですよ。不思議だわ。その間、子供達は不安でいっぱいなのだそうですが。
 最近、「ああ、ひどいんやな。私の方向音痴」と再認識したことがあります(遅すぎ)。というのも、私用で都合3回、長野県大町市へ出掛けたのですが、3回目にしてようやく目的地へ、迷う事なく、自分の力のみで、到着出来たのです! やったぁ。と喜んでいたら、「あたりまえだよ。3回目だろ。普通、自分で運転したら1回で覚えるだろ?」とチャチャをいれられました。くっそぉ。そして「お前みたいな人達のためにカーナビという文明の利器があるのに、なぜ使わない?」とボロクソ。そう、なぜ使わないか、それはじゃまくさいから。行く前に設定する時間がおしい! 子供達をせかすのに、時間をくうので、これ以上余分な時間はかけられないんだもぉん。それに指図されても、ええ? と疑心暗鬼だし。素直じゃないから。もともと。その通りに行かないこともあるし。
 そう、いくら方向音痴でも、長野県めざして、広島とか行かないからいいですやんねぇ。と、子供達を不安がらせても、全く反省無しなので、またクルクルと迷うんだろうなぁ。ふふふ。

2002年5月

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