VIC FAN CLUB
ESSAY

 

若狭だより 10

また、やってしまった

上村 縁


 また、やってしまった。カメラのシャッターが急にきれなくなってしまった。このカメラでは2回目の故障だというのに…。
どうも、わたしは昔からなぜか、使用してる最中にその物の寿命を全うさせてしまう能力があるらしいのです。家族の間でついた通り名は“クラッシャー”でも、本人はまったく自覚がないのでこまっているのですが。私にしてみれば、ただ間が悪いとしかいいようがないのです。たまたま、私が操作中にぶっこわれるのですから。別にてあらに扱っているわけではないのです。茶碗等をなにげなしに洗っていると、急にパッカリまっぷたつにわれるのです。時計なども、目覚ましをセットしようとして、ネジの所がパキッと。毎日というわけではありませんが、2週間に1回、長くて1ヶ月に1回は物がこわれます。いえ、ぶっこわれます。もう、修復しようがないくらいに。
なぜ? でも、こわれてもいいものって、私の手にかかっても壊れないんですよね。へんなの。

 この、ハカイダーの血が下の娘にも遺伝したようです。でも、私は誰から遺伝したんやろ? 両親ともそんなことはないし。祖父母たちもそうではなかったし。突然変異?ミュータントか? でも、その突発的な才能はしっかり続いています。下の娘は“クラッシャー&ルーザー(なくしや)”と威力が増してます。うちで何か無くなったといえば必ず、はづきが関係しているのです。物がなくなったら、はづきを疑え! はうちの暗黙のルールです。もちろん壊れ物は私が疑われているのですが。

 でも、創造とは破壊からですからね。私のおかげで、もうやばそうな物は、天命を全うでき、新しい物が得られるんですから。なーんて、いつも自分をなぐさめています。皆さんのまわりには私みたいな“ハカイダー(知ってる人は30代)”いませんか?

1999年4月

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