VIC FAN CLUB
ESSAY

 

若狭だより 1

楽しいもちまき

上村 縁


今日、久々にもちまきがありました。
知らない人に解説:もちまきとは家を建てるとき、棟上げ式をするのですが、そのときご近所のひとにも喜びを分かち合うのか、単によろしくというあいさつなのかは、わからないが、2階部分から餅やお菓子などをばらまいてくれるのです。そして近所 の人々はそれを拾うのです。ゆえにもちひろいということもあります。なお、棟上げ式のわからない人は、棟上げという項を辞書で調べて下さい。

 最近は棟上げ式まではしても、もちまきまでするとこが少なくなってきたので、今回は半年ぶりのイベントでした。
 このもちまきは口コミのみで伝達されるのですが、ここにはこんなに人住んどったか ? というくらいワラワラと集まってきます。たいてい5時半くらいから開始されます 。ま、田舎なので集まって来る人々は子供・付き添いの大人・じじ・ばばです。このとき注意するのは、ばばです。私は何回もみたのですが、さっきまで腰がまがっていた方が、もちがまかれるとすっとなって、その動きのはやいことはやいこと。彼女たちのまわりに位置すると収穫は望めないばかりか、へたをするとけがする危険もあるのです。ちなみに20年ほど前、私と妹がもちまきにでかけ、まだ素人だった妹はばばの後ろに位置してしまい、ばばともちを取り合った末、もちをとれなかったばかりか、おしあいでも負け、溝に転落という暗い過去があります。

 もちまき歴25年のわたしから忠告させていただけるなら、位置するところは、じじか子供のそばです。じじはあきらめがはやいので、こちらがガッツで望めば、必ず品物をゲットできます。あと子供のそばというのは、配ってくれる人はこどもにも拾わせてあげようと、子供のほうにまいてくれる時が多いのです。それと最低10分まえには来て場所の下見をすること。上から投げやすそうな、位置をみつけるのがコツです。小さい子供は連れてきてはいけません。怪我します。子供は5歳以上、けれども内気な子はだめです。つぶされます。もし大物(俵など)をねらいたいなら、背の高いひとを連れていくと便利です。でも背が低くてもだいじょうぶ。結構あしもとに転がってますから。
 もちまきに勝利するためには、粘り、ガッツ、すばしこさの3つです。もしもちまきに遭遇したら、これを思い出してください。もちまきのない地域のひとは、豆まきとかのイベントで応用してみてください。

 今回の成績 もち20個、紅白かまぼこ3個、お菓子10袋でした。もし、ちびちゃんを連れてこなくて私と長女の凜だけなら、この2倍は確実にもちろん5円玉もゲットしてたろうに。あーあ。
 ちなみに凜の得意技は、30分まえにきて位置を確認し(投げてもらいやすそうなところ)、次に待っている人に話しかけ、譲ってくれそうな人のところで待つことです 。将来たのもしいです。もちまき名人を継いでくれそうなので。

1998年5月

VIC FAN CLUB  連絡先:kumi@sgy2.com