VIC FAN CLUB
ESSAY

大町だより 6

私の愛車

上村 縁

 大町でも小浜でも田舎暮らしに車はかかせません。一家に一台ではなく、大人ひとり(免許取得者)に一台いります。

 で、小浜では家の車を拝借して運転していたのですが、こちらへ引っ越してくる際、それをいただいて乗ってくるわけにもいかず、自分のための車を購入することになりました。免許を取って15年ほどたっておりましたが、自分の車を持つのは初体験でありました。そういうわけで、車に対する知識は全くないと言っても過言ではなかったため、既に大町に住んでいるダンナにいいのを見繕ってもらうことにしました。車に対するこだわりも動けばいいや程度しかなく、初めてのマイカーにもかかわらず、たいして悩みもせずに現物も見ず(ダンナは見てたけど)購入を決意したのでありました。その車はダイハツ・ミラ。白色(あえてホワイトとは言えない)なのですが、なぜかツヤけしの白色。他の車のようにピカピカな白ではありません。もちろん中古車なので見た目も美しくはありません。けど、どうせ運転の下手な私のこと。横に後ろに前に新しい模様がスグできるでしょうから、たいして気にもとめていませんでした。子ども達はボロボロやんとお気に召さない様子でしたが。けれど4WDで、オートマで燃費も抜群によかったし、なんといってもお値段が諸経費込みの18万円なので、私は納得しておりました。

 そんなこんなでミラが私の愛車になって、はや1年4ヶ月。3人目の子であるモモが産まれたので、リサイクルショップで購入したチャイルド・シートをミラに装着することになりました。私のほうがモモを乗せて走るのが多いであろうという理由からです。ちなみにダンナの車は軽の箱バン。普通のご家庭では乗用車など5ナンバーか3ナンバーの車と軽4なのですが、貧乏なうちでは2人とも軽4。維持費が安いですから。で、取り付ける際、クラッシャーである私が取り付けると全く使えずその寿命をたってしまう可能性があるということで、ダンナが取り付けてくれました。普通は後部座席に取り付けるらしいのですが、残念ながら私のミラは後部座席の安全ベルトがショルダータイプではありません。ウエストタイプだったので、仕方なく助手席へ装着することしました。チャイルド・シートを後ろ向きにし、つけてもらいましたが新生児から使用できるはずなのに、シートがリクライニングな感じにならず、どうみてもお座りタイプです。シートの横の部分に貼られていた取り付け方早見表によれば、部品(リクライニング用のクッション)が足りないのも原因ではあるようだけれど、リサイクルショップで購入したため、説明書がなかったので警察でお巡りさんに教えてもらうことにしました。そしていざ発進しようと思ったら、シートを後ろ向きにすると助手席側のサイドミラーがシートでふさがって見えないではありませんか!お巡りさんに聞いても「後ろ向きにするとミラーが見えないなら、前向きにするしかないね。安全性は完全保証できないけど、この車にはこの取り付け方がベストとしか言えないわ。だから、もう少し大きくなるまで(お座りができるようになるまで)なるべく乗せないか、乗せても安全運転を心がけてくださいね。また自分だけ安全運転を心がけてても、相手から起こされる事故もあるから、余裕を持って『かもしれない』と思いながら運転してね」と言われました。その時初めて「このボロ車」と心の中で我がミラをののしってしまいました。

 その心が通じてしまいミラがいたく傷ついたのか、最近調子が悪くなりました。というのもエンジンの音が妙なのです。が、もともとクラッシャーの才能はあっても直す才能はトンとない私。ほっておきました。するとエンジンの音がどんどんうるさくなって、最近ではよく言えばターボ車、いえハッキリ言うなら「ヤンキー車両」と化してしまったのです。スーパーへ行っても、子どもを迎えに図書館へ行っても「ブロロォロォロォ」と場違いなウルサイ雄叫びを放ちながら走るミラ。ダンナに相談すると「ああ、これマフラー不良。12月で車検だろ。これ。その時一緒に直されるよ。安心しろよ。」が、車検込みのその費用、見積もりはまだしてもらっていませんが、どうせチョコチョコ直されるだろうから10万円は下らないでしょう。18万で買った車に10万の費用。ああ、私のミラの運命はいかに!!
 10万出して修理するか、もう少し出して新しい中古車を購入するか、考えるところです。

後日談(5日後)
実は今日、子ども達をバレーボールに送っていこうと家を出たら、うちから200mほど行ったデコボコ道(工事中のため)を通ったら、エンジン音がより大きく響き、おまけに車体下部からカラカラという音が。さすがの私もヤバイ!と思い、エンジンを切って外に出て、車の下を見ると折れているではありませんか!マフラーがボッキリと!幸いうちの近所での出来事だったので、折れたマフラーを引きずりながら200m、トホホなおももちでうちへと帰ったのでした。バレーボールの練習は仕方なくお休みしてもらうことに。うちのミラは車検を待たずに、やられちゃったのでした。ああ、来週からどうしよう!買い物行かれへんやんかぁ!ううう。

2003年11月

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