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VIC FAN CLUB: ESSAY
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ともこの読書日記4


「ER」にはまった

嶽山 智子
Tomoko Dakeyama

 映画館の中にいる時はもちろん、しばらくは映画の余韻に浸って、あるときは男勝りの女デカ、ある時は内気な少女に変身。なんていう、映画の楽しみのひとつから遠ざかって久しいこの頃。デートもほとんど映画とコンサートだったという夫婦そろっての映画好きなのに、最近はCS衛星放送の映画チャンネルとMTVだけが楽しみなのです。
 そこへ心優しき方から話題のTV番組(BS衛星放送)「ER」の録画ビデオが届きました、それもドドーンと2時間×11本!! 6チャンネルだったかで放送された、「シカゴホープ」という病院物があまりにもつまらなかったので、さほどの期待もせず、2時間のパイロット版を観てみたら…どっぷりはまってしまいました。で、毎夜1本、2本と怒涛のように見まくったわけです。寝不足覚悟の至福の時!!

 シカゴのある緊急救命室に勤める10人弱のお医者さん・医学生達が主人公。毎日仮眠の暇もないくらい次々と患者達が運ばれてきます。てきぱきと処置していく医者と看護婦。ほとんどが救急車で運び込まれてくる患者で、一瞬の判断力が求められる職場、緊張感と使命感が漂います。プライベートではいろんなトラブルを抱えながらも、プロとして輝いていて素敵です。お医者さんてこうでなくっちゃ。  運ばれてくる患者も、家庭内暴力の被害者、エイズ患者、ドラッグ中毒者、と時代を反映しています。ほとんどがハッピーエンドに転がっていく日本の都合のいいドラマと違い、厳しい現実や、やりきれなさを容赦なく取り込んで、脚本のうまさに翻弄されてしまう。エミー賞も納得です。杉谷さんと電話で、「どの人のどこが好き?」と盛り上がってしまいました。映画やテレビドラマで知っている顔がゲストとして出てくるのも楽しみの一つ。第1クルーがまもなく終わるという事を聞いて残念ですが、『L.A.ロー』もたしか第8クルーまで来ていたはず、どうか長くシリーズ化されますように。
 さっき、杉谷さんからの電話で(最終回を見たとのこと)、「ベントン先生がな、…あ、言うたらあかんか。」「えーっ? 知りたい!! でも、言わんといてー」というやりとりをしたばっかり。早くビデオが届きますように。

 はじめに書いたように、映画チャンネルと並んで楽しんでいるのがMTV、なつかしいロバータ・フラックの名曲「KILLING ME SOFTLY」を歌っている女性ボーカルの声が好きでCDを買ってみればFUGEES(フージーズ)というグループの紅一点の彼女は何と「天使にラブソングを 2」に出ていた子だし、最近話題の映画に出演して人気急上昇のアリシア・シルバーストーンとリブ・タイラーは去年やたらON AIRされていたエアロスミスのミュージックビデオ「CRAIZY」に出ていたかわいい女の子達だし(リブ・タイラーはエアロスミスのボーカルの娘だったりする)、もう目がはなせへんという感じです。テレビが面白くないときはMTVかけっぱなしという時も。
 読書日記と言いながら毎回お茶を濁しておりますが、今読んでいるのは最近話題のストーカーをテーマにした「だれも信じてくれない」(モーリー・カッツ、文春文庫)いまじわーっと気持ち悪くなってきたところで、まだ読み終わっていないのですが、こんな人(魅力的な第一印象というのがヤバイですねー)に標的にされたら人生おしまいみたいですよ。あーおそろしい。

 お口直しに、陸奥A子の自選集(集英社文庫)「薔薇とばらの日々」「粉雪ポルカ」(マンガです)。一気に学生時代にタイムスリップしてしまった単純な私。『朝顔の朝』(集英社コミックス)など、最近は作者・読者と共に主人公も大人になって、高校の時の友達がOLだったり、おかあさんだったり、という印象。この調子でバア様コミックまで転がっていって欲しいとひそかに願っておるのでした。

1996年12月

写真は「ER」

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