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カリフォルニアだより

第12話 〜サマーコースをとってみました〜

杉山洋子

 帰国することに決まり、アメリカ最後の夏。何をしようとちょっと考え、ダンナの行っていた学校でサマーコースをとってみることにしました。その名のとおり、6〜8月の夏期休暇中に開かれる特別講義です。私にとってはこれがはじめての「英語の勉強」ではない「英語で勉強」なので、大丈夫かしらとも思ったのですが、一般に開放されている講座なので、まあ初心者でも大丈夫でしょう、と。
 そして初日の授業。のっけから先生の一言、「えー、この授業ではこの教科書を使いまーす」ええ? 教科書あるの?(普通教科書がある場合、事前に渡される資料に書いてあるもんです。そして事前に読む時間が与えられるもんです)「で、明日には2章まで進むので読んでおいてください」・・・何ページだ?
 そしてとどめ。「では、自己紹介をしましょう。なんでこの授業に興味をもったか、みんなで紹介しあいましょうね」どっかーん! さりげに他の人の自己紹介聞きつつ、慌てて頭の中で原稿作成。しかしまあ、2年も住んでて自己紹介ごときで慌てる私もまあ、なさけないですね。とほほ。
 なんとかかんとか初回授業をおえ、教科書を買いに書店へ行きました。第2章のおわり・・・38ページ。ただいま、午後5時。明日の授業、午前11時から。38ページ、読めるかい!・・・夏の青い空が急にくすんでみえた一瞬でした。結局目は通しましたけど、本当に"目を通す"だけ。それでも久々に半徹しました。ああ、夏の思い出にちょこっと講義を聞くだけの計画だったのに。
 その後も苦労の連続です。まず本読み。本来予習に要求されるのって、本読み+考察ですよね、当然ながら。でも私には、本読みだけで精いっぱい。それでも読んでいかないと、先生の話なんてまったく理解できなくて。さらに、授業中のディスカッション(ある議題について小グループに分かれて議論。その後、各グループの結論を全体発表します)。こちらの人は本当にこれが好きで、どの人もしゃべるしゃべる。でも皆さん親切で、最後に必ず「で、ヒロコはどう思う?」ううん、拷問に近いです、これは。唯一私の授業ではレポート提出(アメリカの大学では、単位認定のために試験かレポート提出があるのが普通)がないということでほっとしていたら、「最後の授業ではプレゼンテーションをしまーす」・・・先生。レポートの方がよかったよーん。えーん。
 最終的にはしましたけど、プレゼン。ああ、恥ずかしかった。それでも拍手してくれたクラスの皆さん、感謝感謝です。
 とまあ、「最後の夏の思い出にちょっとキャンパスで」という私の野望(?)は見事に打ち砕かれたわけですが、それでも親切な人に囲まれて、よい経験ができました。そして、「留学(というか他言語での学習)ってほんとうに大変なんだなあ・・・」としみじみ。アメリカ留学を本気ですると遊ぶ暇がないという話、実感しました。もちろんダンナ様に「本当に尊敬するよ・・・」といったのは言うまでもありません。

2002年8月

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