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カリフォルニアだより

第6話 〜Dance,Dance,Dance!〜

杉山洋子

 夏が近づくと、とたんにみんなジムへ通い出します(ここらへんの女性感覚は日米共通ですね)。本当にそこら辺にあるし、費用が安いので、とっても気軽。だいたい月に3000円かそこらで会員になれます。(もちろんこれで、ジム、プール、サウナなど使い放題。いったいこの価格差はどこからくるんだろう?)
 ジムに限らず、カルチャースクール関係が全体的に安いなーというのが、アメリカの印象です。で、私も健康のためにただいま通っているのは…ダンス。近くのダンススクールでクラシックとジャズのコースを週一回ずつとっています。小さいころからやっていたわけではないので、当然初心者コースですが。
 大人初心者コースにきているのは趣味目的の人がほとんどなので、年齢も経験もばらばら。特にジャズのコースは、「ダイエット目的だろうか」という感じの体格の人が多いです。でも、踊り出すと違うんだな、これが。こちらでは、ダンスは日本人にとってのピアノと肩をならべるような代表的なおけいこごとで、ジムほどではないけどスクールもそこらにあります(といっても、主流はタップなんだけど)。だから、私の2倍くらい(横が)あるご婦人が子どものころにはクラシックを習っていて、それはそれは優雅にターンをきめたりする、なんてよくある話。
 そんな中で私は、無謀な挑戦を続けています。なんたって私は、体が硬いんですね(自慢している場合じゃないって)。足なんて90度しか開かない。クラシックの柔軟体操なんて、先生に「You can! You can do!!」と身体をぐいぐい押され、周りの女の子達(クラシックは大人コースでもティーンが多い)に「Hiroko、死んじゃう前に逃げるのよー!」と笑われています(事実最初のころ、止めてくださいというのをためらって関節がはずれそうになった。誰も知らないはずだけど)。
 あと、「ジャズの血」が足りない。クラシックは型通りに踊ればそれなりに見えるようになるけど、ジャズでちょっとしたコンビネーションダンスを踊ると、ちょっとした腰つき、目線、手つきがどうも「みっともなく」感じるんです。私はこれを「血」のせいにしています。本当は違うんだろうけど。
(でもでも、南米系の娘たちなんて、セクシーな腰ふりを実に自然にやるんだもん。やっぱり盆踊りで育った身にはあれは難しいよ)

 それでも通い続けているのは、楽しいから。踊れるようになる楽しみもさることながら、きている人たちがみんな親切でHappyな人たちだから、これですね。天気の話、家族の話をレッスンの合間にちょこちょこっとしたり、わからないステップを休憩時間に教えあったり、ティーンの子達のボーイフレンドの愚痴話をきいたり。今、仕事をしていないので、余計にこういったコミュニケーションがうれしいんです。たとえ英語でも。
 後もう一つ、通っていてよいこと。クラシックのコースでは、生徒は絶対レオタードを着なくてはいけません。そう、確実に太りすぎ防止になるんですね。(実際クラシックのコースにはアメリカ体型の人は一人もいない!)でも、そう書きつつスナックを食べ続ける私って…危険だ。

2001年5月

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