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ESSAY

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「高慢と偏見」ココが好き!

下岡 加代子


なーんてミーハーなタイトルでどうでしょーか(笑)。他に思いつかない…m(._.)m
しかし翻訳を変えれば、まんまヴィクですなぁ。
「あなたがおどかそうとすればするほど、こっちは勇気が出るの」なんて。

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 ひと月ほど前、暇つぶしで買った『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうな私の12ヶ月』を読んでたら、あらびっくり! ブリジットがあのBBCドラマ版『高慢と偏見』に大騒ぎしてるじゃありませんか。ビデオに保存して何回も何回も、特に「ミスター・ダーシーの水浴びシーン」をじっくりご鑑賞。おまけに職業的立場を利用してダーシー役のコリン・ファースにインタビューまで慣行してる。あう! うらやましい……。
 NHKでも3年前に放送されたらしいこのドラマ、見たくて見たくてたまりませんでしたが、その願いが届いたんでしょうか。1月2日〜4日にかけて再放送されたんです。気づいたのは3日だったので第1回は見逃してしまいましたが、肝心の水浴びシーンは第2回だったのでホッ(笑)。私もじっくり鑑賞できました。深夜放送だったので、4日・5日の仕事始めに思いっきり支障をきたしたんですけどネ……。

 「なんでいまどき『高慢と偏見』? 古くさ〜い」と思う方もいらっしゃるでしょうね。うちの母は英文科出身でV.ウルフ研究をしていたせいか「あんなん、ただのmatching mateや。要するに見合いと男探しや」とコキ下ろすのですが、お母さん!! それって大事なことじゃないの?!(笑)
 ただの男探し・見合い話じゃここまで私たちの心を奪うことはありませんよね。あのタカビーなダーシーの性格や人生観までも変えてしまうエリザベスが誇らしくてたまらないんです! 朗らかで頭がよくて、自分の偏見を素直に認めて反省し、社会的地位の高低に臆せず自信をもって、ふさわしい人生のパートナーを見つけ出す。こんな子がhappy ever afterになんなくてどうすんの!! シンデレラはその後が不安になるけど、主体性あるエリザベスはあの時代、あの社会のなかでシャッキリ生きてる。そんなエリザベスが大好き!

 ドラマ版エリザベス役の女優はちょっと甘さが勝ちすぎてて合わない感じでしたが、ダーシー役のコリンはさすがでした。いい俳優ですよね〜。イギリスではほとんどセックス・シンボル的な認知のされ方をしてるのに(ブリジットのミーハーっぷりはギャグではない)、彼の出演映画でまともに日本公開されたのは『アナザー・カントリー』と『恋におちたシェイクスピア』、後はもはや誰も覚えていないであろう『アパートメント・ゼロ』『ひと月の夏』くらい。あまりにもお粗末だわ。『ひと月の夏』なんてケネス・ブラナーが相方なんだからビデオ化してほしいです。原作は白水社Uブックス(新書版)で出てますが、私の持ってる単行本はふたりの写真が表紙になってるんですよん(大自慢)。えらく小さい写真だけど……。『ブリジット・ジョーンズ』も映画化されるそうで、コリンも当然出演する模様ですが、日本公開は不明です。
 素敵なコリンのことをもっと知りたい方は以下をどうぞ!
 コリン・ファース ファンサイト(日本語版)
 http://www.netlaputa.ne.jp/~koshi/index11/menu/mari/colin/colin.html

 それにしてもミスター・ダーシー、エリザベスにプロポーズした時に「そんなおっしゃり方、あまりにも紳士らしくありませんわ」と言われて顔色が変わってましたね。『モーリス』もそうだけど、イギリスにおける「その行為はジェントルマンにふさわしいか」「階級は打破できるのか」という問題って小説(と書いてロマンと読む)には欠かせませんなぁ。

2001年1月

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