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野生の食事 1

とりの食べ方

前田敦子

 このところよく雪が降って田舎(和歌山の高野山のふもとのかつらぎ町)を思い出しました。父はもういませんが、その父はダンナ遊びの達人で、みかんを作っていたんだけど、ほとんど母まかせで、自分は夏は船をもち、紀ノ川で鮎とり。冬は猟銃で北海道、石川、福井と鳥、鹿、いのししと追いかけ、もちろん家のまわりもかけめぐっておりました。

 こんな父を持つ私は空を飛ぶものはほとんど食べたことがあります。火鉢に網をかけ砂糖醤油であぶり焼きにする。町の焼き鳥しか食べたことのない人たちに教えてあげたいけどかなわぬことです。
 鳥は「まぜめし」にするとおいしい。野うさぎはちょっと残酷ですが、皮を剥ぎ(稲葉の白兎の話のようにひといきで)、骨などはスープのように煮込み、スペアリブで食べる。肉は醤油に漬け込み竹串に刺し、涼しいところで乾燥させ、乾し肉にするとまた火にあぶって食べる。かたいけれどメチャ美味です。

 なんて書いたら「前田さんて何者やろ」と思われたかもしれませんね。和歌山の田舎は皆そうかと思われたかもしれませんが、ウチだけです。念のため…。今度はいのししの食べ方を伝授いたします。

1997年2月

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