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Chissarossa の I LOVE CINEMA 11

THE MATRIX / TEH MATRIX RELOADED / THE MATORIX REVOLUTONS

 果てね・・・。結局、この映画が良いんだか、悪いんだかよく判らないんだけど、面白いから「ま、いいか〜^^;」というラインで進めます。
 かつて「ブレード・ランナー」を見て、近未来映画にわくわくする様になったら、お次は「未来世紀ブラジル」で「マトリックス3部作」って感じかな。キューブブリックの「2001年宇宙の旅」とはちと系統が違います。なんてったって凄いのはVFXでしょう。1999年に「マトリックス」第一部が公開になって以来、そこら中でその影響を見られる様になった“ブレット・タイム”(マシンガン撮影=超スローモーションの中をカメラワークだけが高速に移動して行く、通常は1秒に24コマのところ、1秒に120コマ)は大成功を納め、日本のCMなんかでも、現在使いまくられている(某ビールの宣伝ね)。ところが、2部ではあまりに多用し過ぎてちょっと間抜けかな。3部は2部よりバランスが取れてました。確かに、一番緊迫している時のスピード感を、わざとゆっくりにする事によって、返ってスピード感を煽って見せつけるってのは考えたものです。はい、映像革命です。さらに、2部、3部では“ユニバーサル・キャプチャ−”(俳優の動作を3次元CGIの人間キャラクターに反映させる手法)なるものを開発・・・これは・・・ハッキリ言ってやっぱりアニメかと・・・日本の水準の高いテレビゲームの画面や、アニメーションを見慣れているわたくし達にとっては、特にたやすく誉めるのは辛いです。だけど、確かに、これでスタントマンを使っている・・・という例の違和感は無くせましたが。
 製作・監督・脚本のウォシャウスキー兄弟(ほほほ〜、ひょっとしてVFCファンのために、この名前を書きたくてこの映画選んでるかも〜^^;)は、世間に公言もしていますが、大友克洋の「アキラ」、押井守の「攻殻機動隊」の影響を受けています。昨年のアカデミー賞の話じゃないですが、日本アニメは世界のホープ!うーん、素晴らしい。宮崎駿に代表される日本のアニメの影響のもうひとつの大きな影響は、仮想現実を表す面白さを追求しているとは言え、マトリックスがその主題はたぶんに命題的であると言う事でしょう。問題は、理論が2部辺りでヘンチクリンな具合になって、アニメがアニメと見下ろされるような時の独特の展開や結論が出て来てしまい、あらまあ・・・と絶句してしまうこともしばしば。
 物語は21世紀の初頭、世界の人工知能が(=A.I)が結束し、人間に対して反乱を起こした。人間の生体電気エネルギーからパワー得て世界はA.Iに征服され、人間はもはやただの発電機。マトリックス(仮想現実)に取り込まれ発電施設の中で眠り続けて栽培されている、もちろん、その間(つまり仮にも生きてる間ね)人は仮想現実=マトリックスの中で、何の疑問も持たないように、設定された夢を観ている様に生きていると言う寸法。しかし、どんな世界にもイレギュラーがあり得る。A.Iの支配を脱した人間達はザイオンと言う町を地中奥深く作り上げ、予言者の言葉に従い救世主となるネオを探し出す。ネオの存在と使命を信じるモ−フィアスやトリニティーに助けられながら、ネオは自らの使命に開眼、A.Iの送り込んだ刺客と戦いながら人間開放をめざす。
 主役の救世主ネオはキアヌ・リーブス、かわいいですねえ。救世主=ネオだと堅く信頼する信念の戦士、有能な指揮官であり、ネオを立派な戦士に育てるモ−フィアスはローレンス・フィッシュバーン、もう圧倒的存在感です。ネオを深く愛し見守り続け、支え続け、超ハイグレードなサイバー戦士でもあるトリニティーにはキャリー=アン・モス。この人の設定を見るに、つくづく女の地位も向上したなあ・・・と感慨を持ちます。マトリックスでは若々しく弱々しいヒロインは一切おりません。もうひとり、素晴らく勇敢ですざましい操縦を披露するキャプテン・ナイオビにジャダ・ピンケット・スミス(夫は、かのウィル・スミスね)がおりますが、強硬な意志でもって果敢に戦う女です。マトリックスに出て来る女性達は皆、超一流の戦士でどんなアクションだってこなしますし、マトリックスに出てくるどの男性よりも、勇敢で機敏で、抜群の判断能力を持っているように描かれています。この影響は他の映画にも多大で、ハリウッド映画において女性は、もはや添え物の存在ではなくなりました。わたくしは、この映画の中で一番にそれが嬉しかったし、この映画の意義があったと思います。それから、A.Iの刺客=エージェント・スミスは、ヒュ−ゴ・ウィ−ビング、そうです、片や「ロード・オブ・ザ・リング」のエルフの王です。芸達者なのでもちろん、どちらの演技も素晴らしいです。どこかの映画解説にエルフの王にヒュ−ゴを持って来るなんて・・・・なんていうのがありましたが、敢て言うなら、それは逆様って感じでしょうね。結局、ヒュ−ゴのカブは上がったわけです。印象的だったのは、APUというARMORED PERSONNEL UNIT=大型戦闘ロボットって丸きり「ガンダム」だし、それの隊長ってのが三船利郎のそっくりサン!!ナサニエル・リーズだってこと。また台詞がよろし。「おれは多くを言わない。一匹でもたくさん道連れにしろ、行くぞ!」もう、映画のクライマックス、切羽詰まった戦闘状態にビシッと決め台詞かっこいい〜。三船の影響って、今でもアメリカでは「レッド・サン」の“侍=三船”なのね〜〜〜(古参の映画ファンの方、泪でるでしょ?)
 この映画はファッションにも象徴され、世界的レベルでファッションデザイナーや、メディア人に大きな影響を与えてます。例えば、チャイニーズカラーのタイトなロングコートやレザーのパンツにスタイリッシュなサングラス・・・ほらほら、芸能人の誰かが衣装として来てたりするでしょ?華美なものを取り払い、スタイリッシュにシンプル・イズ・ベストながらも優雅でハードなイメージはIT社会のイメージを綺麗に表せていると思います。あ、そうそう。ファッションに準じて(普通は逆様アクションに合わせて・・・ト言うべきところですが)、アクションはカンフー風、でも、ジャッキー・チェンを思い出してはいけません。その様式はVFXとは言え、極めて優雅です。
 ハッキリ言って、マトリックス3部作は、このような最先端の技術やアクション、サイバーなファッションを『へぇ〜〜〜すごーい!』と感心するために見る映画です。が、観て下さい、そして考えて下さい、機械化、デジタル化、科学化、コンピュータ化とは何ぞや?と。そして、人の営みにおいて何を失ってはならないかを・・・・

2004年1月

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