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子育てしながら在宅ワーク

青木真理

 今までパソコン通信もすべてワープロ専用機(オアシス)でやってましたが、以前から関心のあった『パソコン在宅ワーク』をワープロでやってみようと思い立ちました。
 ところが、準備のために在宅ワーク関係の本やニフティの会議室を読むうち、自分の考えがあまりにも甘いことを思い知らされました。OLの時はワープロ(専用機)インストラクターや文字入力の仕事をしていましたので、ワープロ専用機には自信がありました。でも、家庭に入って12年。そのブランクはあまりにも大きかったのです。12年の間にワープロは職場にも浸透し、誰でも使える機械になっていました。「ワープロが打てます」というのは10年前のスキル(能力)だったのです! 仕事が多様化する中、入力のニーズも“入力が速い、ワープロができる”から“NEC文豪・富士通オアシスができる”と具体化し、それから“パソコンができる”と明確化、“ワード、エクセルができる”とソフト内容やそのソフトのバージョン対応まで企業から細かく指定されるようになっていました(これは主にWindowsの話です。残念ですが私はMacintoshはわかりません)。さあ、在宅で入力をしようとなると、もうワープロ専用機では仕事がありません。普段の私なら「パソコン嫌いだもん」とここで諦めてたかもしれません。
 しかし、家庭に入って11年余り。「今のままでいいのか?」という焦りは常にありました。その焦りを「子供が小さいから」と封印してきました。まだ末っ子は二歳ですが、長女・次女は小学5年生、三女は小学年2年生と手も離れ、少し自分の時間が持てるようになりました。「やるなら、今だ」と思ったのです。

 自分で決めたら準備です。まず、本やパソ通で在宅ワークの現状について調べました。ある程度わかってきたところで、主人の説得です。在宅で仕事をする以上家族の協力は不可欠です。主人は「わしが働いて稼いでるのに……」と当初は不満そうでしたが、「何か自分にできることを今したいっ!(ちょっと説得力が薄いけど)」と主張してわかってもらいました。それに対して主人の条件は一つ、「無理はしない」でした。私がのめり込む性格なので主人がブレーキをかける役のようです。
 さて、次はパソコンです。当初は主人のパソコンを使うつもりでしたが、子供を見ながらリビングで入力ができるようにノートパソを主人が買ってくれることになりました。巷ではWindows98が発売になってました。というわけで富士通FM-V BIBLO NU7-23(ワード98、エクセル97モデル・Win98)が私のマシンとなりました。
 いよいよ、環境はそろってきたものの、肝心のワードやエクセルの操作なんて全然わかりません。そこで本屋でワード・エクセルの解説本を何冊か買ってきました。本を見ながら、入力方法を勉強するのです。それと平行して仕事捜しが始まりました。
 在宅で仕事をする上で、『営業』というのは欠かせないことです。ブランクの短い人なら以前勤めていた会社に打診するというのも一つの手ですが、私はブランクが長すぎました。それですでに在宅を始めていた友人の仕事を手伝う形にして、入力の仕様ややり方、データをパソ通で納品する方法についていろいろ教えてもらいました。次の仕事捜しは通信上の求人に申し込みをすることです。私よりスキルの高い人はいくらでもいるので、なかなか採用してもらえませんが…。
 最近、在宅で仕事をするのが注目されていることもあって、便乗商法も盛んです。通信講座で「講習を終了すれば仕事を紹介します」とか「パソコンを購入してもらって仕事をしてもらいます(実際には古いパソコンを売りつけて仕事はほとんどない)」とか、私が一度求人に応募したところはデータ入力とは名ばかりのマルチ商法まがいでした。もちろんすぐに、応募を取り消す旨のメールを送りましたが…。便乗商法かどうかの見極めはとても難しいです。ネット上の求人に関しては最初から最後まで顔を合わせずに仕事が完了する場合もありますが、相手の人となりを見極めるために、原稿の受け渡しなどで顔を合わせるようにするところもあります。いずれにしても、信頼のできる確かな仕事をしなければ、次の仕事には結びつきません。これは在宅でも通常の勤務でも同じ事だと思います。

 わかったようなことをいろいろ書きましたが、私もまだまだ在宅ワークは初心者の部類です。特にデータ入力は在宅ワークの中でも底辺が広く、単価も低いです。求人があったら応募している状態ですので、いつも仕事があるとは限りません。たかがデータ入力と思われがちですが奥はとても深いです。在宅で仕事を始めようと決心してから4ヶ月あまり。まだまだ自分で営業できるほど自信はありませんが、もっと操作に慣れて自信が持てたら、積極的に営業ができるようになれたらいいなと思っています。今はまだ“仕事”というより“内職”に近い状態かもしれません。

1998年9月

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