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福田里香チョコ+スイーツ×ラッピング

私の本箱 6

和みのレシピ本が実用書になる日

相澤せいこ

 ふと自分の本棚を眺めていて、びっくりを発見。一番冊数の多いジャンルは、なんとお菓子の本だという事。(子供も読むから…を口実に買いまくる児童書・漫画は別にして。)お菓子・パン系合わせて15冊くらいありました。

 趣味はお菓子作りです、などというなら当たり前の話ですが・・・いつも少ないレパートリーをとっかえひっかえでなんとかやっているタイプです。お菓子など、今までゼリーを適当に作るくらいで、子ども達のおやつはほとんどお店で買ったものばかり。なのになぜ?―答えは簡単。私は食べ物関係のレシピ本、「眺める」のが好きなんです。眺めているとものすごく和みます。癒し効果抜群。特に焼き菓子とパンの本なんか、本当に心がうるるっとしてしまいます。ちょっと疲れているなーと思うときなんかに本屋さんに行くと、決まってその手の本のコーナーに吸い寄せられて、衝動買いしてしまいます。お茶やコーヒーの本も。スープの本も大好きです。

 思うに、現実はなかなかおしゃれにはいかない。子供のいる生活は楽しいけど、いつもがちゃがちゃごちゃごちゃしがち。のんびり午後のティータイムなんて、遠い夢物語…という時期が長く続いた結果、この手の本を買い漁って気持ちを鎮めていたのではないかと。

 最近面白かったのは、『チョコ+スイーツ×ラッピング』(福田里香・NHK出版)。ここまで素材と遊べたら楽しいなーと思う一冊。お菓子作りというか工作の時間という感じ。でももちろんおいしそうでもあり、散りばめられたエッセイも楽しい。

 3年くらい前に表紙に一目ぼれして買った『おうちでカフェ』(実用生活シリーズ・NHK出版)も、相変わらずのお気に入りです。表紙のマグカップ、あんまり和み度100%だったので、探して手に入れてしまいました。ベトナムコーヒーの入れ方なんかもあったり、コーヒーに合うスイーツ満載で、もうとろけそう。

 そしてこの冬うっとり眺めたのは『スープとパンがあればいい』(岡村伸彦・ゴマブックス)です。お休みの日の朝、のんびりと残り野菜を入れたスープを作るようになったのも、この本の影響。“あまりかしこまらずに、固形ブイヨン使っていいから、とりあえずスープを飲もう”で重い腰があがりました。基本のスープ10種とそれに合うパン、便利な道具とパンにまつわるエッセイもうれしくて、本が小型なので持ち歩いて楽しみました。

 『がちゃ・ごちゃ』の子ども達も一応大きくなってくれて、結構使える(ひどい言い方ですな)ようになってきたので、一緒に何か作って遊んで、自活の基本「自分で食事の用意ができる」の訓練をしよう!と思うようになりました。料理は必要に迫られてなんとかなる(私のように)と思い、普段のお手伝いで今は十分。その他に、遊び感覚で作る楽しさを味わえるもの、ということでやっぱりお菓子やパンなんかがいいなーと思ってやってみたのですが・・・。

 私が育った家は、手作りお菓子はゼリーくらいで、オーブンもなかったし、実体験ゼロに近い状態です。料理の本とちがって、お菓子やパンって、本だけではわからない部分が多くて。「材料混ぜて」といっても、どれくらい混ぜて、その後変化した中身の「正しい仕上がり状態」がよくわからない。結果、まったく膨らまないパン生地とか、ブラウニーだったはずなのにビスコッティみたいになってみたり。

 あまり失敗が多いと子ども達のやる気が失われそうで困った…と思っていた矢先、見つけたのです。ホームメイド協会の「プチレッスン」。プロに教わって、「正しい仕上がり状態」を覚えてこようと思いました。パン作りの3回コースでお値段ほどほど。鉄は熱いうちに打て!で早速申し込んで、今トライ中です。

 もう楽しいですよ〜。やっぱり百聞は一見にしかず、ですね。パン生地をたたいてまとめて作っていく工程なんか、実地で体で覚えると本の見方も違ってきます。眺めるだけじゃなくて、作ることも楽しみたいって思います。だんだんとフットワークが軽くなりそうな予感がして、うれしいこの頃です。

 

2005年3月

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