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11. 十ヵ月目

1月17日[水](U)
山のある公園へいき、ボールあそびをしました。途中で黒い小犬がまぎれこんできて、こどもたちはその犬にふりまわされる。りょうちゃん、犬は見たいがこわい、保母と手をつないでできるだけ近くまでいきましたが、近づくにつれて「イヤダー」といい、また、犬の走りまわるあとを、少しづつ関心をもちながら追っていました。そして、たまに「ネコ」ということばも聞かれたように思いました。

1月18日[木](母)
「ちいさいワンワンきたの」と、テレビをみて、イヌが出てきたら言っておりました。「かわいかった?」「うん」「コワイノ」と複雑なかんじでした。

(U)
朝、なわとびをつなげて男の子たちがあそんでいるところへ、自分もなわとびをもって近より「りょうちゃんも」と、自分から声をかけ、一緒になわをつないでもらい、そのあと電車ごっこをしてました。りょうちゃんと、ともだちのかかわりが、少しづつ、みられるようになってきました。

1月20日[土](母)
昨日の朝、「にんじんにいく」といってきかず、無理に保育園にいこうとすると、泣いてしまいました。前の日にもらった袋入の雑誌の付録で遊びたくてたまらず、にんじんなら遊べると判断したもののようです。車にのせて保育園までついても、まだ諦めきれず、一つだけおもちゃのカタログを手にもっていきましたが、門の前の辺りで「Uせんせい、めーするからいい。おかあさんもって」と渡し、もう手を出しませんでした。

1月26日[金](T)
今日、昼食後の自由遊びで、ままごとを一人でしていた涼ちゃん、友達が黙って、涼ちゃんの使っていたままごとを取り上げようとしたら、カッとしたようで、口で言うより早く、腕にかみついてしまいました。今までにかみつくような事がなかったので、保母もビックリ。余程取られたくなかったのでしょう。でも、かむことはいけないので、口で「ダメ」や「イヤ」を言うように話しました。

1月27日[土](母)
家では圭とけんかする時、片手で不利なので、かみつくか、髪を引っぱるかどちらかで、相手にダメージを与えてから、片手で必死におもちゃを確保するという手を使います。保育園にもようやく慣れてきて、自分を主張することができる場だと思い始めているのでしょう。でも、暴力はいけないので、家でもきつく言っていますから、どうぞ、また、こんなことがあったら、叱ってください。

(T)
子供達、実習生と一緒に部屋や廊下を使ってかくれんぼをしました。涼ちゃんも、おもしろがってみんなと一緒にいるのですが、ルールがわからないようでした。「もういいかい」と「まーだだよ」「みーつけ」の言葉がすっかり気に入ったようで、何回も、何回も、繰り返していました。

・・・

「U先生メーするから、いい。お母さんもって」では「から」という接続詞を使って、それまで持って行こうか行くまいか迷っていた自分の決断を表わしています。ことばの指導をする時に、接続詞を使って、二つの文章をつなぐ練習をさせることもあるのですが、ここで使われている「から」には実感がこもっています。
かくれんぼのルールはわからなくても「もういいかい」「まあだだよ」「みつけ」のことばを何回も、気に入って繰り返しているところは、どんな時に、新しいことばが獲得されるのかを私たちに教えてくれます。
集団生活で自分を守るために、咬んだり叩いたりすることは、どの子にも見られます。左手の利かない涼にとって、とっさに片手でおもちゃを確保するには、この方法が便利なのですが、社会性という面からはまずいので、やめさせることにしました。

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